小学5年生の理科で、大気圧をテーマにした実験を行いました。
今回の授業では、最初に仕組みを説明してから実験を見せる、という進め方はしていません。
まずは説明を一切せず、生徒たちに目の前で起こる現象を見てもらいました。そこで生まれた「なぜ?」を出発点に自分なりの仮説を立て、その翌週に必要な知識を学び、改めて同じ現象を考える――という流れで授業を進めました。
まずは、何も説明せずに実験を見る
実験では、3本の缶を用意しました。
- A:中が空の缶
- B:少量の水を入れた缶
- C:半分ほどまで水を入れた缶
それぞれ蓋を開けた状態で加熱し、その後に蓋を閉め、気温と同じくらいになるまで冷却します。
【写真1:3本の缶を加熱している様子】
すると、3本には異なる変化が現れました。
Aはある程度つぶれ、Bは大きくつぶれました。そしてCは、水の入っていない部分が大きくつぶれました。
【写真2または写真3:実験後の3本の缶】
この段階では、「大気圧だからこうなる」「水蒸気がどうなるから」といった説明はしていません。
生徒たちには、まず結果そのものを見てもらい、
「なぜ、缶はつぶれたのか」
「なぜ、水の量によってつぶれ方が違うのか」
を考えてもらいました。
そして、それぞれが自分なりの仮説を立て、文章にしていきました。
すぐに答えを教えない
今回の授業で大切にしたかったのは、実験を「知識の確認」にしてしまわないことです。
先に仕組みを説明してしまえば、生徒は実験を見ながら「習った通りになった」と確認することができます。
もちろん、それも理科の学習の一つです。
一方で今回は、まだ説明できない現象を先に提示しました。
自分が持っている知識だけを使って、
「こういうことではないか」
「水が関係しているのではないか」
「温めたことや冷やしたことに意味があるのではないか」
と考えるところから始めています。
正しい答えをすぐに出せることが目的ではありません。
目の前の結果を手がかりに、自分なりの説明を組み立てること。それが、この段階での狙いです。
この日の授業では、ここでいったん考察を終えました。翌週は、生徒たちが立てた仮説を検証するために、大気圧や物質の状態変化、体積の変化について学び、同じ実験をもう一度考えていきます。
続きはこちら:5年理科 大気圧の実験 2日目 9月9日実施
