小4時の季節講習では通常授業で行っていない理科と社会の授業を実施します。今回の理科の授業では物質の状態変化について扱いました。
【授業で「状態変化」を扱う目的について】
5年生に上がると、理科の授業では二酸化炭素や酸素という言葉を当たり前に使います。
4年生だと、目に見えている液体や固体は知っていても、目に見えない気体はなんとなくでしか認識しておらず、目に見えないものは全て空気だという認識がある生徒もいます。気体=空気 ではなく、目に見えないものを気体と呼び、それはある物質の状態であるという認識を4年生のうちにもっておくと5年生での授業で理解がより深まります。また、気体は目に見えないが確かに存在することを認識してもらうために状態変化を使って真空状態(何もないという状態)を作り出し、目には見えないがそこには確かに気体が「あった(今はない)」ということを理解してもらいます。
【実験の内容等について】
1:エタノールの状態変化についての実験
ビニール袋の中にエタノールを入れ、密閉し、それを熱湯に入れることで、液体であるエタノールが気体になる実験を行います。その際、液体から気体に状態変化し、体積が大きくなることによってビニール袋が大きく膨らむことがわかります。
2:水の状態変化によって真空状態を作り「あるもの(気体)」と「ないもの(真空)」を区別する実験
空きカンの中に少量の水を入れ、フタをしない状態で熱します。しばらくすると水が蒸発し体積が大きくなって、入りきらない水蒸気がカンの外に出ていきます。水が蒸発しきった段階でフタをしめ、冷やします。それにより、カンの中の水蒸気が水に戻り、大きくなった体積が小さくなります。また、体積が小さくなることで、カンの中の水蒸気の部分が真空状態になり、その結果カンが潰れます。
生徒は水の状態変化については理解していましたが、何もないという真空状態を認識することは簡単なことではありません。
形がなく触れられないものや、目に見えないものはどこまでいっても認識がしづらいものですが、そういったものへの認識を深めることはとても重要なことです。今後も時間をかけて指導していきます。