例年4月~7月は他塾に通われている方からのお問い合わせが多くなる傾向があります。
2月から新しい学年の授業が始まり、ある程度慣れてきた段階であらためて振り返って、「学習のペースがつかめない」・「授業の内容についていけない」・「宿題が思うように進まない」・「時間がいくらあっても足りない」・「テストの成績がいっこうに伸びない」……といったことで、転塾を検討されるのだと思います。
受験勉強のスタートの時期や、転塾を考える際のタイムリミットについては、過去に何度か記事を書いております。加筆修正する形で以下に掲載させていただきます。
夏休み前ぐらいまでの期間に6年生のお問い合わせをいただくことがあります。
「子どもが急に受験したいと言い出した」・「塾に通っているが、成績が思うように上がらない」などといった理由によるものが多いです。
面談において、そのような状況に至った経緯についてお話をうかがい、今後の学習について、残りの期間で考えられる学習の進め方等についてご提案をさせていただいておりますが、この時期からの入塾ということになると、お受けできないことがほとんどです。その理由を説明させていただきます。
ONEにおいては、6年生になる段階では、生徒が勉強に対して真向かいになるという姿勢ができあがりつつあります。授業を聞く姿勢、宿題に取り組む姿勢、できなかったものやわからないものに対する対処などについて、かなりしっかりとした行動がとれるようになっています。これは4年生から5年生にかけて徐々に作り上げるもので、一朝一夕にはなしえません。6年生の途中から入ってきた新入生が、すでに塾生が当たり前にできていることができていないという場合、授業においてその部分に時間を割くということができません。
新入生を受け容れたために、もともと通っていた塾生のペースに影響が出るということはあってはならないことだと考えております。6年生からの入塾をお受けできるのは、体験授業等を受けていただき、特別なフォローがほとんど必要がない場合、あるいはフォローの必要があっても限定的で、その埋め合わせのための個別授業(別途、授業料が発生します)を併用できるというような場合に限られてしまいます。お問い合わせいただいた方の入塾の希望に応えられないのは心苦しいのですが、我々にできるかぎりの提案はさせていただきたいと思っております。
では、入塾に無理がない段階はいつ頃までかと言うと、おおよそ5年生の夏休みぐらいまでだと思います。
ONEの場合、4年生の段階では、いつご入塾いただいても、未習の内容などについて気にすることはありません。年度途中の入塾の場合、授業中に行っているさまざまなトレーニングがうまくこなせず、最初はとまどうこともあるかもしれませんが、しばらくすれば慣れて、スムーズにこなしていけるようになります。
5年生の前期から夏休みぐらいにかけて、受験を目指すにあたっての基本的な行動原理や勉強に向かう姿勢、今後の学習の土台になる概念を学習していきます。できればこの時期までにご入塾いただければと考えております。
その後の入塾についても可能なのですが、特別なフォローが必要になる可能性もあります。授業とは別枠でまとまった時間のフォローが必要になる場合は、一定期間個別授業の併用等をお願いせざるを得ないこともありますので、ご承知いただければと存じます。その場合にも面談等できちんとこちらからご説明させていただきます。
他塾からの転塾を検討される場合に、「今習っている単元は重要だから、この単元の学習が終わってから転塾を検討する」というようなことをお考えになる方もいらっしゃいますが、転塾を検討されるという段階で、その塾で授業を受けることに大きな意味はないと考えます。
また、「お金を払ってしまったから〇月まで通います」というようなお話も聞きますが、正直に言えば通っていても身につくことはほとんどないので(身につくことがたくさんあるのなら転塾をする必要はありません)、そこに通っている時間は無駄になる可能性が高いと思います。ONEへの転塾に限らず、これは転塾一般にあてはまると考えます。お金はもったいないと思われるかもしれませんが、通っている時間が無駄になることの方がもったいないと思います。
特定の科目ができないために転塾を余儀なくされたというような場合、できない原因はお子様にではなく、塾での指導に問題があるということも少なくありません。そのようなケースでは、長く授業を受ければ受けるほど、ダメージが大きくなり、取り戻すのにかかる時間が長くなってしまいます。
転塾を検討されるときは、速やかに転塾先を検討し、良き転塾先が見つかったのなら、一刻も早く移られた方がよいと思います。
なお、ONEから他塾への転塾を検討される場合も同様です。万が一、転塾先の授業が合わず、再びONEに戻って来たいという際にはご連絡いただければと存じます。