自粛期間中、5年生、6年生ともに、国語については同じ文章を繰り返し読むことを課題として出しています。一日に一本の文章を読むことを課題にしており、問題を解いて提出したりするというようなことは課していません。ですから読まないで済ませてしまういうこともできてしまうわけですが、この課題を継続することにはとても大きな意味がありますので、とにかく必ず一日一回はていねいに文章を読むということを繰り返して下さい。
文章というものは一度目を通したぐらいでその全容を理解できてしまうなどいうことはありません。中学受験を目指す小学生が読まされる文章はおよそ小学生向けに書かれた文章ではありません。筆者によって想定された読者層と同等の前提知識などを持っていないと、そもそも理解できるようなものではないということもあります。
したがって、受験における頻出テーマについては、そのテーマに関する一般的常識を身につけ、その常識を読解の前提として身につけた上でそのテーマについての文章を読んでいくということが必要です。そしてその文章の内容が新たな知見として獲得・蓄積され、それが次の文章を読んでいくときの前提知識となるのです。
馴染みのないテーマに関して一般的常識を身につけるためには、繰り返しそのテーマについての説明を聞くこと(授業)、繰り返し文章を読むこと(授業・家庭学習)が大切です。社会の知識のように意識的に覚えようとして覚えるのではなく、繰り返し説明を聞いたり、文章を読んだりしている間に自然に覚えてしまうという状況が理想です。
繰り返し文章を読んで身につくものはテーマに関する知識だけでありません。「その文章の中で使われている語句について意味や用法が知らず知らず身につくこと」、「一度読んだだけでは気づかなかったことに繰り返し読むうちに気づくこと」、「一度目には内容を追うだけで精一杯だったが、繰り返し読むうちにそこで使われいる表現までもが自然と頭に入り、それが自分が文章を書くときに役立つこと」など、さまざまな効果があります。
必ず一日に一回は文章を読むということを継続できるよう、お子様が文章を読んだかどうか、日々確認いただければと存じます。保護者の皆様にはお手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
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中学受験&高校受験 国語【難しい文章を読めるようになるためのアプローチ】(2019.11.14)