4,5年生のお子様が、授業開始の20分ほど前に来て、歴史マンガを夢中になって読んでいることがあります。強制されるわけでなく、自分の意思で読んでいるということには大きな意味があります。
活字の本であれ、マンガであれ、実利を求めず読むことを楽しむことができれば、そこからはいろいろなことを学べます。楽しく読む、夢中になって読むということは、有意義な価値観の獲得をしている証拠なのだと思います。
ONEでは、様々なマンガを配置している本棚があります。授業の前に来た生徒が読むことができます。
マンガを読むことは簡単なことではありません。マンガを読めないという人も存在します。4コママンガは上から下に読めばいいのですが、通常のマンガは、どのような順序でコマを読み進めたら良いかのガイドがありません。日本のマンガは右綴じなので、左から右に読むことはないでしょうし、下から上に読むということもないでしょうが、それ以外にははっきりとしたルールがあるわけではありません。

上のコマ割りのマンガはどの順番で読むのが正解でしょうか? 二通りの可能性があります。
⑴ C→B→A→F→E→D→H→I→G
⑵ C→F→H→I→B→E→A→D→G
ストーリーの展開などを基に、読者は無意識に「読むべき順番」を判断しているのです。つまりマンガを読むことは、与えられた絵やセリフをもとに話を組み立てていくトレーニングになるのです。活字の本であれば、文字を上から下に追っていけば読めますが、マンガは読む順序の決定を自分でしなければならないという難しさがあります。これは、英語と日本語の文法構造の違いに似ていると思います。ここからも、国語を勉強するうえで、マンガは一定の役割を果たすと考えています。
「文字だけでなく絵も載っているから、マンガの方が簡単」などということはありません。活字の本とマンガでは、読むために要求される能力や読むことで鍛えられる能力に異なる部分があるのです。
6年生では受験勉強が本格的に始まります。マンガや小説など、読書の時間は限られてきます。4、5年生の間に、良き読み物をたくさん経験していただけたら嬉しく思います。