昨日、「5年生のうちに身につけなければいけないこと」という記事を書きました。今回は「4年生のうちに身につけなければいけないこと」について書かせていただきます。
ONEでは、4年生・5年生・6年生それぞれに求めることを明確にセパレートしています。
6年生は、受験生です。「受験生」に求められることは、「大学受験」であろうと「高校受験」であろうと「中学受験」であろうと変わりません。要するに、中学受験生は小学校6年生ではありますが、行動としては高校3年生や中学3年生と同じことが求められるわけです。では、6年生になった瞬間に、そんなに急に大人としての行動ができるようになるかと言えば、それは不可能です。そこで5年生のうちから、徐々に受験生としての意識や行動を身につけていってもらうということになります。この中身については、前記事で触れていますので、今回は述べません。
ONEでは、5年から受験勉強を始めていきます。これは意識・行動を少しずつ受験生にシフトしていくということもありますが、各科目の学習内容についても受験で問われるような基礎の学習が本格的に始まるという意味でもあります。
4年生の段階では、本格的な受験勉強を始める前に身につけておくべき感覚、行動、知識といったものを身につけてもらいます。多岐に及びますが、ごく一部だけ挙げておきます。
(1) 話をしっかりと聴く姿勢
(2) 目の前の問題に集中して取り組む姿勢
(3) しっかりと受け答えができること
(4) ていねいな表記
この他にもいろいろとあり、それらを身につけるためのトレーニングなどを授業において行っています。
当たり前のことばかりではないかと思われるかもしれません。しかしながら、これらをすべて当たり前にできる小学生がどれだけいるかと言えば、すべてしっかりとできるというお子様はそう多くはないでしょう。
一見、当たり前のことのように思えるこれらのことをしっかりとできることは、受験勉強をしていく上で非常に重要です。たとえば、(1)「話をしっかりと聴く姿勢」。
受験勉強において新しい概念の学習をする際は、まずは授業において、その新概念についての説明を聴くことになります。このときに授業をしっかりと集中して聴き、説明の核心となることを的確に理解することが必要です。ただ、椅子に座って、ボーッと聞き流しているという状態であれば、抽象度の高い内容は理解できません。
小学校でこういったことについて、どこまで訓練がされているでしょうか。授業中に騒いだり、立ち歩いたりといったことがあれば、さすがに先生に注意されるでしょう。しかしながら、席に座って黙って先生の方を見ていれば、ボーッとしていても特に注意も受けないというような状況は珍しくないのではないかと思います。こういったことを繰り返していると、「ボーッと聞き流す。ボーッと座っているだけ。」という行動が刷り込まれてしまい、話を集中して能動的に聴くことができなくなります。この状態で受験勉強をスタートした場合、新しい概念について本質的に理解することはできず、ただテキストや黒板に書かれた解法の真似事をして、とりあえず答えを出すだけというような学習になってしまします。これではまったく能力は上がりません。
本格的な受験勉強を始める前に、まずは集中して話を聴くという姿勢をつけておくことは非常に重要なのです。
もっとも「小4の一年間で身につけなければいけない」と書きましたが、学年が上がれば、お子様が聴くことになる話も少しずつ難しくなってきますし、最終的にはかなり抽象度の高い内容の理解を求められることもありますので、実際のところ「話を聴く姿勢」に関する指導は終わることがないとも言えます。
基礎体力がない状態でスポーツの本格的な技術練習をしても成果は上がらないのと同じで、受験勉強を始めるのであれば、そのために必要な材料をできるだけ揃えておくことが大事になります。(2)~(4)については、あらためて記事にさせていただきます。