小4の授業日には、曜日を問わず授業の前半には、パズルや計算、国語の知識や感覚を身につけるためのトレーニングなどを行っています。
今回はその時間に取り扱っている「国語エクササイズ」について説明させていただきます。
このプリントには、二つの目的があります。
(1)「てにをは」の使い分け、接続語、指示語、主語と述語の対応……といった日本語の土台になることについての感覚を身につけてもらうこと。
(2)小学生のうちに身につけておいてもらいたい常識的な知識などを覚えること。
(1)については昨年11月に記事にしておりますので、そちらをご参照下さい。→ 国語エクササイズについて(1)
今回は(2)について、説明させていただきます。
先ほど「常識的な知識」と言いましが、「常識」とは何かというとこれはなかなかに難しいところがあります。常識というのは、時代や地域によっても変わりますし、年齢や性別、職業などによっても変わります。
現在、40代以上の人であれば「ダイヤルを回す」と言えば「電話をかけること」だというのは「常識」でしょうが、現在の小学生にとっては「電話」は「ボタンを押す」もの、「あるいは画面にタッチする」ものであって、「ダイヤルを回す」と言われても何のことやらわからないとしても不思議ではありません。本を読んだり、マンガやテレビや映画で見たりといった経験がなければ、「ダイヤル」から「電話」を連想することは難しいでしょう。しかしながら、多くの大人はお子様に対して、「ダイヤルを回す」ということばから「電話をかけた」ということをわかってほしいと思うのではないでしょうか。それならば、そういうことに触れる機会を与えなければならないことは明らかです。
〇「焼く」・「炒める」・「煮る」・「ゆでる」・「蒸す」・「揚げる」ということがどういう意味なのか、しっかりとわかっているお子様がどれだけいるでしょうか。
〇「おじ」・「おば」・「おい」・「めい」・「いとこ」のいうのが、自分から見てどういう存在か、正しくわかっているお子様がどれだけいるでしょうか。
〇野菜や果物の旬の季節を知っているお子様がどれだけいるでしょうか。
こういったことを知る機会として「国語エクササイズ」を実施しています。
本日の授業では、何枚かの写真を見せて、その「写真から連想される生物の名前を書きなさい」という問題をやってもらいました(下の画像)。
(1)については、「きつね」というのは全員が答えられていました。上の写真が神社で撮影されたものであるということがわかったようです。おそらく近所の「東伏見稲荷」などで見たことがあるのではないかと思います。下の写真については「きつねうどん」という名前は聞いたことがあるのでしょうが、「うどんの上にのっている四角いものは何?」と問うたところ、これについては答えられませんでした。「キツネが油揚げが好きだと言われていることから、油揚げがのったうどんを『きつねうどん』と呼ぶ」ということを話しました。
(2)については、「蚊取線香」はみな知っていたので、「カ」という答えを出すことはできていましたが、「蚊帳」については見たことがないというお子様がほとんどでした。
大人にとって当たり前のことが、子どもにとっては必ずしも当たり前ではありません。「国語エクササイズ」では、こういったことを繰り返し取り上げていきます。覚えてもらうために同じ問題を繰り返し出すこともあります。いつの間にか覚えていたという形になるのが理想なので、このプリントについては復習をして覚えようなどとする必要はありません。