前記事はこちら → 授業報告12月7日
前記事にも書いておりますが、社会の授業においては、2種のテストを実施しています。
本日の授業において実施したテストの状況報告をさせていただきます。
(1)短期記憶のテスト
102個の知識が載っているブリントを5分間の時間で暗記してもらい、覚えた直後にテストをするというものです。毎週同じプリントを使用していますので、繰り返しているうちに最初の方に並んでいる知識は当たり前のものとして定着していきます。毎週、すでに定着したものに加えて新しいものを覚えていきますので、少しずつ点数が伸びていきます。今日の段階で最も多く覚えていた生徒は62個。今日の5分間ですべてを覚えたわけではなく、毎週の繰り返していく中で、定着させていった結果です。
入塾して間もないお子様の中には、まだ10個未満というお子様もいらっしゃいます。また、以前から通われているお子様の中にも20個未満の点数で停滞しているお子様もいらっしゃいます。限られた時間で数多く覚えるお子様は、ほぼ例外なく、ぶつぶつ言いながら覚えています。
ただ眺めているというのは視覚を使った入力を行っているのみですが、声に出すということは聴覚を通じても入力を行うというになります。さまざまな感覚を動員した方が、記憶しやすいことは間違いありません。家で覚えるときは声を出して覚えている人でも、授業時には周りのお子様を気にして、声を出さず黙々と覚えている方もいるようです。ただ眺めているだけで、記録が思うように伸びていないお子様に対しては、声に出して覚えることを提案しました。九九を覚えるときも、視覚だけではなく、繰り返し音にして、聴覚を使って覚えたはずです。ひとつ、覚えるときの工夫として、聴覚を通じた入力に取り組んでもらえればと思います。
(2)前週のチェックテスト
以下は前週の授業に覚えてくるように指示した内容についてのテストの一部です。
多くの塾や学校では、キーワードの内容を説明した文を読んで、キーワードを覚える(答える)というような一問一答形式で記憶をさせることが多いと思いますが、上のプリントでは、右側のキーワードの説明文の部分にも空欄を設けています。試験においては「① 894年、遣唐使を廃止したのは誰?」と問われることもありますし、「② 菅原道真は何をしましたか?」と問われることもあります。①の形だけで覚えると、②の形で問われたときに答えられないという状況になることもあります。
したがって、どちらの形で問われても答えられるように、説明文にも空欄を設け、対応力を高めるような形で覚えてもらっています。当然、覚える労力は倍になるのでたいへんですが、これで覚えきれば、どう聞かれても困らない形で知識を定着させることができます。
本日のテストでは、ほぼ満点だったお子様も数名いらっしゃいますが、思うように得点ができなかったお子様もいらっしゃいました。
今回、明らかに学習をさぼってきたというお子様は1名のみでしたが、それ以外のお子様で今回得点が振るわなかったお子様には共通の特徴があります。漢字の間違いが目立ったということです。
お子様方に「家で覚えてくるときに声を出して覚えてくる人?」と尋ねたところ、ほとんどの方が手を挙げました。教室内で覚えるときには声を出さないお子様も、家では音にして覚えているようです。したがって、答えとなるワードの音・読み方はわかっているのです。
「家で覚えるときにノートなどに書いている人は?」と問いかけると、先ほどより手を挙げた人が少なくなりました。ここで挙手をしなかった人は、例外なく漢字の間違いが目立っていました。
「書いて覚えなさい」と言われた経験のある方は少なくないと思いますが、漢字を正しく覚えるには、漢字を丁寧に書くという行動は効果があります。しかしながら、10回ずつ書くというような「書き取り学習」のようなことをするのは、ナンセンスです。覚えるために書くのではなく、覚えたものをていねいに書いて、正しい漢字を定着させることが重要です。
本日の授業では、「声に出して覚える」・「覚えたら書く」ということについて、その意味を説明させていただきました。次週以後、このあたりのことが意識できているかどうか、テストを通じて確認させていただきます。