過去記事でも何度も触れていますが、社会科の授業において最も重要なことは、社会の知識を身につけることではありません。社会の知識を身につけることを通して、「どうすれば記憶ができるか」ということを身につけることが目的です。「どうすれば記憶ができるか」ということがわかれば、社会の知識を身につけることはそう難しいことではありません。
授業においては、毎回2種のテストを実施しています。
一つは授業の復習テスト。授業で扱った内容について、翌週までに覚えてくるというものです。入塾したばかりのお子様の中に「しっかり勉強してきたのに思い出せない」と言っている方がいいらっしゃいました。
こうなってしまう理由は、「しっかり勉強した」つもりではあっても、「しっかり覚えられてはいなかった」ということです。家庭学習の際に「覚えた」という判断を正しくすることができなかったのです。
「覚えたかどうか」を正しく判断できるようになることは非常に重要です。これができるようになることは、社会の学習において最も大切なことの一つです。
まずは自分で「覚えた!」と思った時に、本当に覚えているかどうか、セルフチェックをするということが肝要です。チェックの結果、覚えていないことがあった場合は、もう一度覚え直し、その後に再びセルフチェック。これで問題なく覚えていることを確認できたという状態をまずは目指してもらいたいと思います。
もう一つは、短期記憶のテストです。102個の知識をまとめたプリントを、毎回5分間の時間で覚えてもらうというものです。もちろん5分間で102個の知識を覚えることは不可能です。しかし、毎回繰り返していると、最初の方のものは当たり前のように何度も繰り返されるので、自然と身についていきます。集中して覚えること、声に出したり紙に書いたりして様々な感覚を動員して覚えること、同じものを繰り返し練習すること……など、覚えるための行動を身につけてもらうことが、このテストの目的です。
8月からこのテストを始めていますが、現在、一番進んでいるお子様は60個まで覚えています。一週間にたった5分ですが、その繰り返しで102個の知識を完全に覚えることは可能です。できるだけ早く102個の知識を覚えるべく、与えられた5分間、がむしゃらに覚えようとすることが肝要です。このテストの得点が伸びると、一つ目の復習テストの点数も上がりますし、テスト準備にかかる時間も飛躍的に短くなります。
2種のテストを使って、引き続き、「どうすれば記憶できるか」ということにアプローチしていきます。