前記事はこちら → 全滅する理由⑴
本日は前記事で挙げた②「志望校選択に起因する全滅」・③「精神的な要因による全滅」について順を追って説明させていただきます。
②「志望校選択に起因する全滅」には、いろいろなパターンがあるのですが、ここでは一つだけ挙げておきます。「模試の合格可能性だけで学校を選んでしまう」ということです。
同じ偏差値の学校でも、問題との相性などによって、自分にとって受かりやすい学校、受かりにくい学校というものがあります。そういうことに目を向けず、偏差値だけで学校を選んでしまうと、安全だと思っていた学校に失敗するという結果が起きる可能性が少なからずあります。たとえ模試の合格可能性が80%以上であっても、少なくとも過去問を数年分解いて、合格最低点を余裕をもって超えられるということを確認していないのであれば、安全校とは言えないでしょう。大手の塾では模試の結果だけで受験校についてのアドバイスが行われているケースもあるようですが、それを信じて安易に安全校・押さえ校を設定すると、問題との相性が合わずに失敗をする危険があります。押さえ校については、模試の結果だけで判断せず、過去問を使って問題がないかどうか確認しておくことは必要でしょう。
模試については、過去にいくつか記事を書いておりますので、併せてお読みいただければと存じます。
・外部模試について(1)
・外部模試について(2)
・模試の偏差値はあてになるか?
次に③「精神的な要因による全滅」について説明させていただきます。
どのような受験であっても受験生の胸の中には「大丈夫だという自信」と「大丈夫だろうかという不安」の相反する思いがあります。このバランスが崩れ、不安が大きくなりすぎると、普段通りのことができなくなります。面接試験において、過度の緊張をした人が右手と右足を同時に出して歩いてしまうというようなことがありますが、そういう状態で試験を受けてしまうとどうなるか。たとえば、文章を読んでも内容が頭に全く入ってこないとか、見たことのある問題なのにどうしていいか全くわからなくなるなど、さまざまな問題が起きる可能性があります。緊張のしやすいお子様の場合、こういう状態が入試本番で起きる可能性があることを保護者の方はわかっておく必要があります。
また。特別に緊張しやすいわけではないお子様においても、前日までの受験結果が③の問題を引き起こす場合もあります。
たとえば、2/1にチャレンジ校、2/2に実力相応の五分五分の学校、2/3に押さえの学校を受ける日程を組んだとしましょう。2/1の学校に不合格になると、2/2の試験に対しての不安が強くなり、実力が発揮できなくなってしまう。さらに2/2に失敗するとすっかり自信を喪失してしまい、2/3の押さえ校では不安が大きくなり過ぎて止まらなくなる……といったようなことが起きることも皆無ではないのです。
こういう状況を回避するために、1月に埼玉や千葉の学校を受けるということをされる方もいらっしゃいます。しかし、入学手続きをする意思のない学校に合格をしたところで、安心感にはつながらない可能性は十分にあります。1月受験のリスクについては、過去に記事を書いておりますので、ご参照いただければと存じます。
・1月受験について