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中学受験問題における漢字の書き取りについて

検索エンジンで「中学受験 漢字 範囲」というワードで検索をした方が、「入試の国語で必要な漢字と教育漢字は異なります」という当ブログの記事をお読み下さっているようです。

「受験における漢字の書き取り」について書かせていただきます。

少し入試問題を引用してみます。数年前の城北中および攻玉社中の問題です。

・ジュウオウに走る道路。      ・世界的なイジョウ気象。
・新記録をジュリツする。      ・センレンされた文章。
・農民は幕府に米をオサめていた。
(城北中 平成26年1回)

・温泉のコウノウを確認する。    ・農地をタイシャクする許可を受ける。
・海沿いの町はシオの香りがする。  ・ごコウイに甘えてばかりいる。
・フルってご参加下さい。
(城北中 平成25年1回)

・金銭のスイトウ簿を毎日つける。  ・悪党を一網ダジンにする。
・同窓会のカンジになる。      ・なぞの呪文をトナえる。
・信用をソコなうようなことをしてはいけない。
(攻玉社中 平成26年1回)

・カイコ録を出版する。       ・様々な解決方法をココロみる。
・無理をして身体にサワりが出る。  ・いたずらな生徒をサトす。
・モウレツな嵐に備える。
(攻玉社中 平成26年2回)

小学生の日常生活の中ではほとんど出会う機会のないような言葉が出題されています。大人でも日常的に文章を読んだり書いたりしている人でないと、全てをすらすら書くことはできないかもしれません。

ところで、受験生はこれをすべてすらすらと書ける必要があるのでしょうか。上記の問題で出題された漢字の配当学年を以下に示します。

・縦横(縦→6年・横→3年) ・異常(異→6年・常→5年)
・樹立(樹→6年・立→1年) ・洗練(洗→6年・練→3年)
・納(納→6年)
・効能(効→5年・能→5年) ・貸借(貸→5年・借→4年)
・潮(潮→6年)        ・厚意(厚→5年・意→3年)
・奮(奮→6年)

・出納(出→1年・納→6年) ・打尽(打→3年・尽→中学校以後)
・幹事(幹→5年・事→3年) ・唱(唱→4年)
・損(損→5年)
・回顧(回→2年・顧→中学校以後) ・試(試→4年)
・障(障→6年)       ・諭(諭→中学校以後)
・猛烈(猛→中学校以後・烈→中学校以後)

城北中の出題は小学校の教育漢字の範囲を超えていませんが、攻玉社中の場合は小学校の配当漢字ではない漢字も出題されています。

おそらく「回顧」・「諭」あたりは正解する生徒はほとんどいないと思われます。「打尽」は「一網打尽」という四字熟語を学習している生徒であればもしかしたら書けるかもしれませんし、「猛烈」は読書量の多い生徒であれば書けるケースもあるでしょう。しかし、多数の受験生が正解するような問題ではありません。

仮にこれらの教育漢字外の漢字が書けなかったとしてもさほど問題ではないと考えます。間違えたとしても、他の受験生の多くも間違えていますから、これが大きなマイナスになるということはありません。ただ、教育漢字外の書き取りの出題のすべてができなくてもよいということにはならないと考えます。

教育漢字外の漢字の多くは書けなくてもいいのですが、「読めてほしい漢字」・「意味を知っていてほしい漢字」は少なからずあります。また、数が多くはありませんが、「書けてほしい漢字」もないわけではありません。

扱 宛 嵐 依 威 為 偉 違 慰 隠 影 鋭 越 援 煙 縁 汚 押 欧 奥 穏 華 嫁 暇 靴 稼 悔 壊  概 較 隔 獲 穫 渇 滑 刈 缶 陥 勧 歓 監 緩 還 環 含 企 奇 軌 既 飢 棄 輝 偽 擬 犠 脚 虐 及 丘 嗅 虚 御 狂 峡 狭 恐 脅 響 驚 仰 緊 愚 遇 刑 恵 傾 携 継 迎 撃 倹 兼 嫌 賢 幻 巧 甲 荒 項 頃 婚 魂

上の漢字は「入試の国語で必要な漢字と教育漢字は異なります」でも取り上げた中学校以後の配当漢字(音がア行・カ行のものから抜粋)ですが、青で示したものなどは「書けてほしい」漢字です。

ここで「書けてほしい」という漢字は、以下のような条件に合致するものです。
・文章の中での使用頻度が高い。
・「社会」など他の科目で漢字で書かされる。

中学受験で求められる漢字の能力は「教育漢字」の範囲を超えています。「読める」・「意味がわかる」という意味においては相当数の教育漢字外の漢字を知っておく必要がありますし、「書けてほしい」というものも皆無ではありません。結論を言えば、配当学年にこだわって、教育漢字だけを学習するというだけでは不十分です。もちろん「書き取り対策」として教育漢字範囲の問題集をやることなどには一定の効果はあるでしょう。しかし、多くの良質の文章に触れ、頻度の高い語句に用いられた漢字を覚えていくということが不可欠でしょう。そのためには文章の読み方に少しばかり工夫がいるのですが、それについてはまたの機会に書かせていただきます。

 

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