「宿題と科目特性」に関する記事の4回目です。
ONEでは、宿題は学習内容を身につけることだけを目的にしておりません。「やらなければいけないことを期限までに意味のある形で解決する」という行動を身につけるということを、宿題を使って指導しています。この目的のために課される宿題は算数です。
ここまでの記事で、科目特性上、国語や社会の宿題では上記の目的を果たすことは難しいということを述べました。それでは理科はどうでしょうか。
理科という科目は分野によって要求される学習が異なります。
生物の分野などは、社会のような一対一対応の知識が多いので、社会と同じ理由で、「やらなければいけないことを期限までに意味のある形で解決する」という積極的な行動を身につけるという目的には合致しません。
では、力学や電気、天体といった分野についてはどうかと言えば、これらは算数と同じように、基本となる考え方を理解した後、一つの答えに向けて、頭を悩ませるという学習が必要になります。これを使って上記の行動原理を身につけていくことも可能なのですが、効率ということを考えると、理科のこれらの分野を使って行動を覚えていくよりも、算数を使って適切な行動をとれるようになった後に、またさまざまな学習を通じて物事の認識力が高まった後に学習する方がよいと考えています。
理科という科目は、扱う範囲がとても広く、覚えなければいけないことも膨大です。また、小学生にとっては認識が難しい分野も多々あります。覚えるための行動がしっかりととれるようになっていること、物事の認識力が高まっていること、問題解決のための適切な行動がとれるようになっていること。こういった条件が揃わないうちに理科の学習を完成させようとすると、学習にとてつもない時間がかかってしまいます。
ここまで述べたように、各科目にはそれぞれの特性があります。それぞれの科目の学習を通じて伸ばせる能力、身につけられる行動は異なります。「やらなければいけないことを期限までに意味のある形で解決する」という行動を身につけさせるためには、算数が最も適していることから、算数で負荷をかけております。