今、5年生に向けて「授業を受ける姿勢づくり」に取り組んでいます。
整数・小数の基本的な計算方法を一通り学び終え、現在は演習を重ね習熟する段階に入っています。計算演習の場面では集中して取り組めるようになり、学習に向かう体力も徐々についてきました。
「勉強すること」への抵抗感が少なくなり、授業を認識していく段階へと移行しています。認識できるとは、受動的でなく能動的に授業を聞けることであり、思っているよりも簡単なことではありません。しかし、能動的に授業を聞くことができないと、受験レベルの内容に対処することは難しいです。このために「授業を受ける姿勢づくり」が必要となります。
現時点では、授業になると無意識のうちに「自分には関係のない話」と捉えてしまい、話を十分に聞けなくなる場合や、「できないものをできるようにする」という意識が弱く、ただ聞いて終わってしまうといった状態が見受けられます。
そこで最初のアプローチとして、2つ意識的に行っています。
①ノートに授業内容をまとめる(ホワイトボードを“うつす”ことをしない)。
これは、とても重要で、板書を“うつす”ことが目的化してしまい、“うつしただけ”で「できるようになる」と勘違いしてしまうことを避けるためです。時間はかかりますが、自分が理解したことを、自分なりにまとめることを目的にしています。生徒が“間違ったこと”をまとめて書いていても、まずは気にしないことです。まとめ続けていれば、後の授業で修正されていきます。まずは、自分の認識したことを表現しまとめることが全ての勉学の土台となります。
②実際に演習問題を解いてみる。
聞いていたつもりの授業内容は、いざ演習問題になると通用しないことが多いです。理由は、「価値観・概念」といった話になるので割愛します。言いたいことは、授業内容が聞けていないのは、聞くべき(認識すべき)対象が“まだわからない”からです。
1、まずは授業(認識できない)を受ける
2,演習問題を解く(認識すべき対象を意識する)
3,問題が解けなかった段階で、もう一度、授業を聞く(認識できる)
というプロセスになります。つまり一度目の授業は聞きたくても聞けない(認識できない)のです。これは、どんなに頑張っても努力ではどうにもできないのです。これを分かったうえで、授業を展開しないと、生徒は取り残されてしまいます。学年が進むにつれて、各科目の認識すべき対象が徐々に分かるようになっていきます。ただ、この認識力の成長には個人差があります。これが、能力の差のひとつだと考えていただければと思います。
「授業を受ける姿勢」が早い段階で身につくと、それだけ受け取る内容が増えていきます。この姿勢ができていない状態で、多くの問題を解いても、効果が薄く効率が悪いと考えています。今後も、時間がかかりますが丁寧に授業を進行してまいります。
池田