今回は「季節講習」について書かせていただきます。
大きく分けて授業には通常授業と季節講習があり、それぞれに特徴があります。
その特徴に合わせて役割があり、両方を複合的に受講することに意味があります。
・通常授業では、各科目、週に1度という頻度で授業が行われます。
・週1回という限定的な頻度はメリットにもデメリットにもなりえます。宿題や授業を使い、生徒の意識を変革させ、自分で能動的に行動するように指導していきます。
・勉強をするうえで必要な基本的な姿勢(スタンス)を身につけることや、考え方の根底・基本となるリテラシーを身につけることに時間を費やしていきます。
週に1度であるからこそ1週間の中でどのような行動をするべきか生徒自身が考えて宿題などの形にしていくことができます。(メリット)しかし、週に1度という頻度ではどうしても演習の時間がとれません。(デメリット)
また、連続してやりたい内容の授業もできなくなります。
このために、宿題を使います。ただそれだけでは限界があります。
・季節講習では生徒が毎日来ることができるので、連続性のある物事に取り組めます。
・毎日の時間を使って演習をします。
・通常授業で培った基本スタンスをいかし、演習を積むことによって具体的な知識や論理思考の定着をはかります。
塾と学校とを比較した場合、学校では勉強に長時間使うことができ、主要科目に至ってはほぼ毎日授業があるような状況です。
塾では学校よりも少ない授業時間で、レベルの高い中学入試の内容をできるようにしなければなりません。
そのために毎日演習の時間に使えて連続的に勉強ができる季節授業も重要になります。
このようにそれぞれで求めていることが異なるので両方を継続的に受講することに意味があります。
通常授業と季節授業の両方を受講することで受験に合格するために必要な準備ができます。
これを何らかの理由で休んでしまうと生徒にとって大きな負担が生じることがあります。
6年生以外の学年の生徒は受験をまだ遠くに感じ、季節講習に対する動機は大きくはありません。
しかし、6年生ではないこの時期だからこそ、基本的なスタンスとリテラシーにじっくりと生徒に染みつくまで時間をかけ、季節授業で演習を積ませることが重要になります。
いずれにせよ、我々が大切にしている「生徒の頭が動く状態」を作り出すことには長い時間と、その継続がとても大切です。せっかくそれまでに通常授業で宿題の状況も含め、頭が能動的に動き、良い状態であるのに、季節授業に参加できなかったことで頭が止まってしまうことはめずらしくなく、非常にもったいないと感じることがあります。季節講習の重要性についてご理解いただけたらと思います。