授業の前半では、毎回、科目の枠にとらわれないで,パズルやトレーニングを行っています。これは集中力・観察力・論理力・注意力といった、学習を進めていく上で必要となるさまざまな力を鍛えることを目的にしています。
今回はそのうちの「パズル」について、説明させていただきます。
現在実施しているパズルは掛け算を使って考えるものを使用しています。掛け算を繰り返し練習することで、算数の約数・倍数を学習する際に理解がスムーズに進むようになります。ただ、算数という科目における効用だけを目的としてパズルを行っているわけではありません。掛け算の習熟だけを目的とするのであれば,掛け算の練習をする方が効率的です。
お子様たちはパズルに対して、遊びの感覚を持って,楽しく取り組むことができます。勉強のようにやりたくはないが「やらなくてはならない」から解くのではなく,自分から「やってみたい」から解くという姿勢で取り組むことに意味があります。パズルを解ききることには達成感があり、パズルを解くことに没頭し、楽しみながら集中力を養うことができます。
今は楽しくパズルを解くことができていますが,パズルの難度が上がるにつれて、どこかでお子様たちは苦戦をすることになります。そのようなときに、投げ出さずに最後まで取り組む姿勢を作るということもパズルを行う目的の一つです。それまでスムーズにできていたことができなくなるのはストレスになります。このときにすぐに投げだそうとするお子様や、安易にだれかに助けてもらおうとするお子様もいます。こういう状況で、自分だけの力で問題に向き合い、解決するという成功体験を積んでもらうことにより、「簡単にあきらめずに考え続ける」ということができるようになっていきます。これは、受験勉強を続けていく中で大きな意味があります。受験問題であれば,効率の良い解き方を覚えるとことも必要でしょうが,受験の枠から外れたパズルであれば自分なりの解き方をいろいろ試すことに抵抗はないはずです。何かできないかを自分で探すことが頭を良くすることにつながります。
現在はパズルを「楽しく解いている段階」ですが、いずれ壁にぶつかることがあると思います。そのときには自力で壁を越えてもらえるように、アプローチをさせていただきます。