ONEでは学年や時期に応じて宿題の質・量に差を設けています。しかしながら、5年生以後は何らかの時間的な、あるいは精神的は負荷がかかっていることは共通しています。5年生に出している宿題は6年生からみたら取るに足りないものに過ぎませんが、その6年生の中にも5年生のときにはその「取るに足りない」宿題を「たいへんだ」と感じていた人もいるでしょう。5年生のときには宿題を大変だと感じたことはなかったのに、6年生になり、宿題の量が増え、難度が上がってきたときにそれを負担と感じるようになるという人もいます。何をどの程度の負担に感じるかについては、個人差があります。
いずれにせよ成長するためには、何らかの負荷が必要です。たとえば、筋トレにおいては、楽に持ち上げられるウェイトでは筋力をアップするという効果は得られません。かといって、強すぎる負荷をかければ怪我をする可能性があります。持ち上げられるギリギリの重さのウェイトを使用するのが最も効果的です。
勉強もこれと同様です。自分が簡単に解ける問題や無理なくこなせる量の宿題をやっているだけでは大きな効果は期待できません。簡単に解けない問題や期限までにこなせるギリギリの量の宿題によって、学力・精神力が鍛えられます。
しかしながら、お子様はそういう負荷をかけられたときに、それを苦痛と感じ、逃げようとしたり、ごまかそうとしたりすることがあります。この逃げやごまかしを許容してしまうと、その壁を乗り越えることができず、同じところで足踏みをすることになります。
たとえば、お子様が宿題をさぼったときに「今日は家で宿題をやるから、授業を休みたい」などとおっしゃることもあるかもしれませんし、「頭が痛い」・「お腹が痛い」などと理由をつけ、塾に行くことを避けようとすることもあるかもしれません。これを繰り返し許容すると、「宿題はさぼってもいい」ということが刷り込まれてしまいます。そういう意識を持ってしまった後に、それを修正するとなると、さらに大きな精神的な負荷がかかることになってしまいます。
4年生のうちはともかく、5年生のある時期から後は、お子様に対して何らかの負荷(時間的な負荷や精神的な負荷)をかけています。同じ宿題でもお子様によって、それをどれだけの大きな負荷と感じるかは異なりますし、また負荷に対する耐性もお子様によって異なります。したがって、あるお子様にとって何でもない宿題が、別のお子様にとっては過大な負荷に感じられるということは起こりえます。そういう際に、お子様はその状況から何とか逃げられないかと模索をすることがあります。しかし、そういう状況こそが「持ち上げられるギリギリの重さのウェイト」に相当するのです。これを乗り越えることがお子様の大きな成長につながると考えております。
われわれはお子様に負荷をかけます。その負荷を乗り越えることが成長につながるとお考えいただけるのであれば、お子様のたいへんさをわかった上で、逃げたくなるお子様の背中を押していただければと存じます。心配なことなどありましたら、いつでもお気軽にご連絡いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。