前回の記事→ 授業報告 9月4日
前回の記事で、生徒たちが「文章を前向きな気持ちで読んでいる」ということについて書かせていただきました。今週の月曜日に、ひとりのお子様が先週授業で扱った文章の続きが読みたかったのでしょう。その小説が収録されている本を買って、熱心に読んでいました。とても素晴らしいことだと思います。
「読みたい」という思いを持って、文章を読むことが、読解力向上の第一歩です。授業が文章を前向きに読むことのきっかけになれば幸いです。
国語の読解練習やテストを通じて、文章が嫌いになってしまったり、自分の読み取りに自信が持てなくなったりなどといった状況に陥っている場合は、一度「問題を解くために文章を読む」という行為を離れた方がよいのではないかと思っております。
本日も授業の前半では、計算練習やパズル、「国語エクササイズ」など。後半の授業で、漢字と文章の読解を扱いました。
本日は「国語エクササイズ」について書かせていただきます。
今回の国語エクササイズに中に右のような問題がありました。
国語エクササイズの目的の一つに「一般常識と呼べるような知識を身につける」ということがあります。
一昔前までは「常識」と呼べたようなことでも、今のお子様にとっては「見たこと・聞いたこともないもの」はたくさんあります。しかし、それを知らないでいると、文章を読むときに不都合を生じることが多々あります。
今回、取り上げたのは「大工道具」ですが、木造建築の家の建設現場を見るなどという機会はほとんどないでしょうから、道具の名前を知らなくても不思議はありません。
「釘」と「金槌(トンカチ)」はほとんどのお子様が正解していましたが、「鉋(かんな)」を正解できたお子様はいませんでした。現物を見たことがあるお子様はいなかったようです。鉋と同じぐらいの大きさの四角い箱を使って、ジェスチャーをまじえて「こうやって使う」というのを見せたところ、テレビなどで「見たことがある」というお子様はいらっしゃいました。
こういうものは他にもいくらでもあります。
・ハウス栽培により、一年中食べられるようになった野菜や果物が多くなり、旬の季節がわからなくなっている。
・一昔前はゴールデンタイムに必ずといっていいほど行われていた野球中継が地上波から消えたことなどの影響もあり、野球のルールや野球用語を知らない子どもが増えた。
・遊びの種類が変わったため、昔ながらの遊びの名前ややり方などがわからくなっている。
・日本風の建築が減ったこと、和室のない家などが増えたこともあり、「襖」・「障子」・「床の間」・「縁側」などの言葉を聞いてもピンと来ないというケースがある。
・伝統的な年中行事などとの馴染みが少なくなっており、たとえば「お彼岸」・「節分」などと言われも、よくわからないという子供が少なくない。
これらは一例ですが、大人は当たり前に知っていることでも、子どもにとっては当たり前ではないということは多々あります。
これらのことを知らないと現実の生活で困ることがあるかと言えば、そういうケースはさほど多くはないと思いますが、受験生の場合は知っておいた方が得であることは少なくありません。
4年生の授業日には「国語エクササイズ」を必ず実施いたしますが、知らなかったものは一回では覚えませんので、同じものを数回は繰り返し扱っていきます。