中学受験を考えている保護者の方の中には、お子様の記述力を向上させたいという思いを持っている方は多いと思います。記述力を向上させるために通常の塾の授業以外に、通信添削で指導を受けさせているというようなケースも少なからずあるでしょう。
今回はONEにおいて行っている記述指導について述べさせていただきます。学年や時期に応じて目標とすることは変わりますので、当記事では4年生の時期において行っていること、考えていることについて書かせていただくことにします。
4年生の時期において最も重視していることは、読むことや書くことに対してネガティブな感情を持たないということです。
授業においては、文章を通読し、その後にあらすじやテーマについて記述をしてもらうことが多いのですが、このとき生徒の書いてきたものについては、あまり細かいことは言いません。一般的な通信添削であれば指摘されるような不備であっても、それが現時点において大きな問題になるものでなければ、注意を与えることはしません。内容上の問題であれ、形式上の問題であれ、こと細かに間違いを指摘され、書き直しをさせられることが続けば、生徒は書くことに対してネガティブな感情を持ってしまう可能性が高くなります。生徒が時間をかけて一生懸命に書いた答案については、まずはその成果を認めることが大切です。何かしらアドバイスを与える場合もポイントは一つだけに絞り、あれもこれも……と注意を与えることはしていません。
保護者の方がお子様の答案を見ると、修正すべきポイントが複数あるのに、それについて直されていないということが気になることがあるかもしれません。しかしながら、細かい問題の修正をしていくのはもう少し先のことになります。書くことに対して前向きに取り組めるように、少なくとも後ろ向きにならないようにすることが4年次における一番のポイントになります。