2018年夏期講習の前半の授業では、「環境問題」について論じた文章を扱っています。
環境問題は、中学入試の論説・説明文における最頻出テーマです。
「環境」という言葉は、抽象的な言葉です。辞書には「まわりを取り巻く周囲の状態や世界」といった説明が載っていますが、この意味を暗記することには大きな価値はありません。「環境問題」といったときに、現実に大きな問題となっているような様々な事象(たとえば「地球温暖化」など)をイメージできるということが大切です。
ある文章の冒頭の一段落に「外来種」・「生態系」という二つの言葉が出てきたら、もうこの文章の内容は(少なくとも中学受験に出題されるような文章の範囲であれば)ほぼ決定します。「温暖化」・「化石燃料」という言葉であっても、同様に文章のおよその内容を察することができます。意味ある形で知識を集積していけば、こういったことが可能になります。これは速く、的確に文章を読むための大きな支えになります。
ここまでの授業では、最初に「生態系」に関する基本的な概念を入れ、「生態系の破壊」とその原因について説明しました。
その後に、この知識を使って、実際に文章を読んでいく練習をしています。
実際に文章を読んでいく際は、取り上げられているテーマについての知識ももちろんですが、そこで使用されている言語に関する知識も必要です。文章中に出てくる難しい語句については、できるかぎり生徒にとって実感が持てる形で説明していきました。
その後に、一文一文ていねいに文章を追いかけてもらいながら、内容を読み取ってもらいました。ひとつの文章をじっくり時間をかけて読み、さらに繰り返して読むことで、テーマに対する理解、語句の知識を当たり前のこととして定着させていきたいと思います。
「環境問題について論じた文章」は、まだしばらく続きます。