算数の2回目の授業では「植木算」、3回目の授業では「つるかめ算」を素材として扱いました。
このように書くと、「植木算」や「つるかめ算」といった特殊算の解法について学習し、演習を行ったと思われるかもしれませんが、そのようなことを行ったわけではありません。それぞれの特殊算の特徴を生かして、問題の解決のために、書き出して考えるということを学んでもらうことを目的とした授業を行いました。
算数の問題においては、「書き出し」て考えることがしばしば必要になります。「書き出し」をする目的は、自分が書き出したものを観察し、そこに規則性を発見することです。書き出すべきものが少なければ規則性を発見できなくても、すべてを書き出すことで答えを出せるでしょうが、規則性を見つけることで書き出しきれないものについても考えられるようになります。これはとても重要なことです。
「書き出して考えなさい」と言われて、闇雲に思いついたものを書き並べて、それで終わってしまっては何の意味もありません。はじめは思いつくままに書き並べることしかできないかもしれません。しかし、それをよく観察し、並び替えたりすることで、そこにある規則性を見つけることが可能になります。こういう意味で、「書き出し」とは規則性を発見するための試行錯誤だと言えます。
「植木算」では「木の本数」と「木と木の間の個数」の関係について、「木の本数」が少ない場合について図をかいてもらって、自分で規則性を見つけて、「木の本数」が多い場合について考えてもらいました。
「つるかめ算」においても、書き出すことから始めてもらいました。書き出しはみなできていましたが、「整理して並べる」・「規則を発見する」という部分については、時間をかけてもう一度練習をしてもらおうと思います。この点につきましては講習中に再度取り扱う予定です。
「書き出し」に対する姿勢を身につけることは、算数の学習においてはたいへん重要なことになります。今後もいろいろな素材を使って考えてもらおうと思っております。