今回は4年生の水曜日の授業について書かせて頂きます。
この授業の大きな目的は以下の4つです。
①週3回授業に来てもらうことで、塾に来ることを当たり前に感じてもらうようになること
②文字を書くこと・物をつくることで感性や感覚を養ってもらうこと
③ゲームを繰り返すことで規則性や論理性を発見してもらうこと
④物事に集中・没入してもらうこと
扱う内容については、一見遊んでいるだけのような内容に思われるかもしれませんが、それぞれについて扱う意図があります。
第2回の今回は、頭の中にあるイメージだけで、写実的な絵を描いてもらいました。これは、頭の認識を鍛える訓練になります。
普段我々が見ている世界は立体的に見えています。頭の中のイメージでもぼんやりとはしていますが、立体的にものを把握しているはずです。
しかしながら、具体的に絵にして描こうとするとなかなか上手く描くことができません。これは、われわれが物の細部を気にして見ていないことによるものです。
今回の授業においては、何も見ずに動物のキリンの絵を描くという課題に取り組んでもらいました。
誰もがなんとなくキリンを想像することはできます。しかし、いざ絵を描こうと思うと、キリンはどのような顔だったか、どのような形だったかがわからなくなってしまうのです。なんとなく、淡黄色に茶色っぽいまだら模様の、首と足が長い動物、程度の認識しか普段我々はしていないということがわかります。
また、骨格、筋肉の動きがどのようになっているかを意識することもありません。たとえば先ほどのキリンであれば、長い首や足を支えるために足の付け根には大きく発達した筋肉があります。それらを認識することもなかなかに難しいです。
一度、自分の頭の中のイメージで描いてもらった後に、キリンの写真を見てもらうと、いかに自分のイメージがぼんやりとしたもの、不正確なものであったかがわかります。
そして、次は十分にキリンの写真を観察した後に、もう一度キリンを描いてもらいます。
自分のイメージのあいまいだった点についてしっかりと観察しようという意識をもってキリンの写真を見ます。その後に、絵を見ずに頭の中にできあがったイメージを紙の上にトレースしてもらいます。
最初のものよりも実物に近づいてきますが、筋肉の付き方、四本の足の長さと首の長さのバランス……など、細部までうまく表現することは簡単なことではありません。物事を観察し、頭の中にイメージをインプットし、そしてアウトプットするということの難しさ、そしてそれを徐々に修正していく面白さを感じてもらえたのではないかと思います。
また次回ご報告させていただきます。