4,5年生の偏差値が出るテストについて

ONEでは、4年生と5年生の時期に偏差値を出すテストは実施していません。これは、この時期に偏差値を出すテストを行うことの多くの弊害を考慮してのことです。以下にその理由を説明します。

多くの塾では、4年生と5年生から偏差値を出すテストを実施し、その成績を基に志望校を検討します。
「お子様の偏差値は55前後なので、この範囲の学校が目指せます」
「この成績では、〇〇中学を目指すのは難しいでしょう」
といったアドバイスをされるようなことは珍しくありません。

しかし、4年生と5年生のテストの偏差値で志望校の合格可能性を判断することには、大きな問題があると私たちは考えています。

月単位で行われるテストは、試験範囲が限定されています。1～2ヶ月の間に学習した限られた範囲から出題されるため、テスト直前の準備だけで対応可能です。

テストで高偏差値を取ったとしても、それが限られた範囲の学習をテスト直前に行った結果であれば、高い能力を示すものではありません。また、偏差値が低いからといって、それがテスト準備をしなかった結果である可能性もあります。また、特に小学4年生の場合など、テスト中に集中力が続かないというお子様もいらっしゃいます。

能力がある生徒でも、「テスト準備をしない」・「集中力が続かない」といった状況があれば、高い偏差値を取ることはできません。逆に、真面目にテスト準備をして、テスト中も集中して取り組む生徒は、高得点や高偏差値を取ることができますが、それは必ずしも能力の証明にはなりません。

4年生と5年生のテストがこのような性質を持つ以上、偏差値を基に志望校を考えると、様々な問題が生じる可能性があります。小学4年生や5年生のテストで高偏差値を取ったからといって安心できないし、偏差値が低いからといって落胆する必要もありません。しかし、テストを受けると、偏差値が気になってしまい、それをもとに学校を選んでしまいがちです。

ONEでは、小学4年生や5年生の時期に偏差値を出すテストは行いません。お子様の相対的な学力がわからないと不安に感じるかもしれませんが、テストの偏差値を能力の指標と誤解することのデメリットの方が大きいと考えています。志望校選びにおいては、偏差値を主要な基準とすべきではありません。

また、大手塾が主催する無料の公開学力テストも、お子様の相対的な学力を知る材料にはならないと考えています。その理由についてはここでは述べませんが、「なぜ無料なのか？」という点を考えれば、その背景は理解できるでしょう。