毎週、国語の授業においては、漢字を学習していくのですが、今年度は授業における漢字の学習の際に「文字をていねいに書くこと」を意識してもらっています。
新しく学習する漢字について紹介し、意味や用例の説明をした後に、ホワイトボードに書いた文をていねいにノートに書いてもらっています。ONEではホワイトボードに書かれた内容をそのままノートに書き写すという作業をすることはありません。今回は、あくまでも文字をていねいに書くということを主眼に置いた取り組みで、漢字を覚えることを目的にしていません。漢字を覚えるということに関しては、もっと違ったアプローチがありますが、それについてはまたの機会に書かせていただきます。
文字をていねいに書くということを低学年のうちに習慣化できているお子様については問題はないのですが、そういう意識がなく、いつもなぐり書きのような雑な表記になってしまうお子様もいらっしゃいます。このような場合、なるべく早い時期にその悪習慣を修正した方がよいと言えます。雑な表記を続ければ続けるほど、それが当たり前のことになってしまい、矯正するのが困難になります。比較的時間に余裕のあるこの時期に、文字をていねいに書けるようにアプローチして参ります。
文字をていねいに書くことの重要性については、以下に過去記事を加筆修正したものを載せておきます。
【ONEにおいては、小4~小6のすべてのお子様に文字を丁寧に書くということを求めています。こちらが声をかけるまでもなく、丁寧に文字を書いているお子様については問題はないのですが、油断をすると表記が雑になってしまうお子様もいらっしゃいます。
宿題や授業中の小テストなどにおいて、あまりに文字の表記が雑な場合は、書き直しを命じたり、注意をさせていただいたりという対応を行っています。「書き直し」を命じられたりすることは、お子様にとっては精神的に負担になります。しかし、文字を雑に書くという行動をそのまま看過した場合に、非常に大きな損失となるので、できるだけ早い時期にこの部分は矯正すべきであると考えております。
文字の表記が雑なことによるマイナス面としては
① 漢字の問題などにおいて、正しい漢字を書いたのに、不正解とされてしまう。
② 記述問題で採点者に与える印象が悪いために、採点が辛くなる可能性がある。
③ 自分の書いた数字を読み間違えるために、計算ミスが増える。
などといったことが語られることが多いのですが、もっと重大な問題があります。
文字の表記が雑なお子様は、あらゆるものを粗雑に扱ってしまう可能性があります。
学習の過程において、丁寧に扱わなければならないことが多々あります。記憶をする際、思考をする際、文章を読み書きする際、あらゆる段階において、丁寧に学習を進めることが必要です。記憶が不正確になったり、思考する際に筋道を丁寧に追いかけないために混乱してしまったり、文章をいい加減に読んで誤読をしてしまったり、設問を慌てて読んで条件を見落としてしまったり……といったことは、受験勉強においては、たいへん大きなマイナスにつながります。答案を読む人に対する配慮に欠けるいう点についても、修正すべきでしょう。
雑な表記については、その都度注意していますので、少しずつ改善しているお子様もいらっしゃいます。ONEの教室においては丁寧に文字を表記しようと心掛けてくれることが多いです。もっとも、家庭でやる宿題となると文字表記が雑になってしまうという方もいます。また、学校でノートやプリントに書いている文字が、ONEで書いている文字とは全く異なり、非常に粗雑になっているとうケースもあります。お子様は「厳しく言われる」空間においては問題点を改善しようとする行動がとれますが、その空間から解放されると行動がもとに戻ってしまうということがあります。学校でも「厳しく」注意をしてくれればいいのですが、そうでないケースが多いようです。お子様の書いた文字の表記があまりに雑な場合は、ご家庭においても「ていねいに表記する」ことについて、注意を促していただければと存じます。