4年生において、理科の授業を実施するのは季節講習のみです。そのため、講習会における授業においては知識の定着は目的としていません。知識の定着を図っていくのは、毎週授業を実施する5年生になってからとなります。
今回の実験では、目の前の現象に対して、自分たちなりに考察してもらうことを目的としました。もちろん、考えるために必要な知識がなければ考えようにも考えられないので、授業の前半の時間を使い、座学の形で知識の紹介を行った後に授業の後半で実験を行いました。
体験してもらった実験は、「ろうそくの燃焼に伴う水面上昇」です。これは、水を張った容器にロウソクを立ててビンをかぶせる。すると、ビンの中の水面が上昇してくる、というものです。具体的には、以下の動画をご覧ください。
授業前半の時間を用いて、以下の知識に関して丁寧に説明していきました。
・燃焼とは、「燃料と酸素が結びつくことである」
・燃料とは具体的には、炭素、水素、金属の三種類
・炭素が燃焼する、つまり炭素と酸素が結びつくと二酸化炭素が発生する
・二酸化炭素は水に溶ける
・溶けるとはどのようなことか
結論としましては、ろうそくの燃焼によりビンの中の酸素が減り、二酸化炭素が生じる。この生じた二酸化炭素は水に溶けるので、ビンの中の空気が薄くなり、水面が上昇することでこの現象が起きています。今回の目的としましては、この結論に行きついてもらうことではありません。授業前半の知識を前提として、間違っていてもかまわないので、自分の頭で思考してもらうことにあります。
今回扱っている、「燃焼」・「水溶液」の単元に関しては5年生に進級した段階で、改めて説明していくので、今の段階では細かな知識や、理解の難しいものに関してはあえて触れていません。あくまでも説明された知識から、考察することをメインで授業を進めていきました。
実験後の考察では、生徒全員が、自分なりに考察してくれていました。また、正解の考察にたどり着いていない生徒に関しても、最終的な結論を聞いて納得した表情をしていました。5年生に進学すると、理科は週一回の授業を行っていき、どうしても覚えなければいけない知識などの定着が必要になってきます。ですので、4年生のときのような思考メインの授業の機会は少なくなってきてしまいますが、5年生においても実験を行うこともありますし、普段の授業においても思考する機会がある場面では積極的に思考を促していくように努めていきます。