現在、「子供のしつけについて、日本とヨーロッパの文化を対比しながら論じた文章」を扱っています。
この文章を読む上で、前提として持っていなければならないのは、世界の地理に関する常識的な教養です。小学校では世界地理というのはほとんど扱うことがありませんので、たとえば「ヨーロッパ」と聞いたとき、それを国の名前や都市の名前と思い込んでいる小学生がいたとしても不思議ではありません。「パリ」が「フランス」という国の首都で、「ヨーロッパ」というのは「フランス・イギリス・ドイツ・イタリア……などの国々がある地域の名称」だなどということは知らない可能性が高いのです。大人であれば当たり前に知っているこれらの知識が、お子様にとっては当たり前ではないのです。
もちろん、ヨーロッパというのが地球上のどこにあって、どんな気候で、どんな歴史を持っているのかということを知らなくても、文章は日本語で書かれているので字面を読んでいくことはできますし、仮に入試問題のようなものであれば問題を解くことも可能でしょう。しかし、筆者が「ヨーロッパについて一定以上の知識を持っている読者」を前提に書いた文章を読む以上、通読の前にその知識は持っておくべきでしょうし、少なくとも通読を終えた後に「ヨーロッパがどこにあるか?」もわからないというような状態であるなら、まともに文章を読めたとは言えないでしょう。
本日は、毎回実施している語句のチェックテストの最後に、上の問題を出しました。
(1)については先週説明していたので全員正解できていましたが、地図を使って説明したわけではなかったので、⑵ができた生徒は数名でしたし、(3)で「ヨーロッパ」と答えられた人も半分ほどでした。次回の授業の際に、再度この内容については確認します。
こういう大人から見たら「一般常識」と思えるようなことも、子どもにとっては常識ではないということは少なくありません。こういったことはどこで学ぶのか、どうやったら学ぶ機会が持てるのか、考えてみると、いろいろと気づきがあるかもしれません。