今回の夏期講習において、「水溶液の特定実験」を行いました。「水溶液」の単元に関しては、6月から説明を始めており、今回の実験をより楽しんでもらうために、知識の定着を丁寧に進めてきました。今回の実験を通じて、自分のため込んだ知識の中から必要なものを的確に取り出す練習になったのではないかと思います。実験の内容は以下の通りです。
この実験は見た目が同じ複数種類の水溶液を用意し、その水溶液に対して様々な実験を行い、水溶液の正体を特定する、というものです。
使用した水溶液は、
・塩酸
・炭酸水
・食塩水
・水酸化ナトリウム水溶液
・石灰水
・アンモニア水
の6種類です。
なおこれらの水溶液は、万が一手に触れることを想定し、安全な濃度まで希釈しております。
行った実験は、
・水溶液を蒸発させる
・BTB溶液をたらし、水溶液の色の変化を観察する
・水溶液のにおいをかぐ
・二酸化炭素を加える
の4種類です。この4種類の結果をもとに、水溶液を特定してもらいました。
実験は2回行い、1回目には、どの試験管にどの水溶液が入っているのかを知らせた状態で、2回目には、どの試験管に何が入っているのかを伏せた状態で、生徒たち自身で入っている水溶液を特定してもらいました。この2回目に実験の際には、教師側は何も指示せず、自分たちで考え、思い出し、実験を行ってもらいました。
※A~Eの正体を伏せた水溶液を用意し、生徒たち自身に実際に上記の実験を行ってもらい、A~Eそれぞれがどの水溶液なのかを当ててもらう。
最終的には、全員が水溶液を特定することができていました。
この実験は実際には、蒸発実験は行わずに特定できてしまうのですが、実際の蒸発実験を見て、イメージを固めてもらうためにも、行っています。この事実に気づき、蒸発実験を省いて進もうとするなど、生徒たち自身がきちんと考えている様子が見られ、よく考えて実験に取り組んでくれていると感じました。
単純に知識を覚えることももちろんですが、実験でのイメージなど、様々な方向からのアプローチで知識の定着を行っていけるよう今後も努めていきます。また、今回のように思考できるタイミングがあれば、より多く活用していきたいと思っています。