小4の授業日には、毎回「記憶練習」を行っています。
最初にプリントを配付し、覚える時間を5分ほど与え、内容を記憶してもらいます。その後にテストを実施するのですが、このトレーニングの目的は「プリントの内容の定着」ではありません。結果的に覚えてくれてそれが定着したのであればプラスにはなりますが、それは副次的な効果であって、メインの目的ではありません。
このトレーニングの目的は
(1) 覚えるための方法を身につける。
(2) 覚えたかどうかの判断を的確にできるようにする。
という2つです。
(1)について。
プリントを眺めているだけで覚えてしまうというお子様もいらっしゃいますが、中には繰り返し声に出さないと覚えられないという方もいますし、何度も書いて覚えるという方もいます。覚え方に「こうでなければならない」というものはありません。試行錯誤していく中で、自分にあった覚え方を身につけるということが重要です。
(2)について。
覚えたかどうかは最終的にテストで確認をするわけですが、テストの前に自分で「覚えたかどうか」を的確に判断できることが非常に重要になります。何かを覚えるという学習を行う際には「よし、覚えた」という判断をしてその学習を終了することになります。その際、「覚えた」という判断が正しければよいのですが、「覚えた」つもりが「半分も覚えていない」という状態であるとしたら、記憶学習をしても成果は得られません。「よし、覚えた」という判断を的確に行えるように必要があるわけです。前回の授業では「覚えたと思った人にはテスト用紙を渡すので、申し出るように」という形で練習を行いましたが、「覚えた」と申告したものの、いざテストをやってみると半分ほどしかできていないという人もいました。覚えたかどうかを感覚的に把握できないのであれば、覚えたかどうかを「自分でテストする」ことが必要です。実はこの「自分でテストする」という方法は、覚えるための方法としても非常に有効な方法です。
記憶の方法を身につけておくと、来年度以後の学習に大きなプラスになります。引き続き、授業の中で集中して記憶練習に取り組んでもらいます。