前回の記事はこちら→授業報告3月23日
春期講習から、新しい文章を扱い始めました。「森林の破壊」について書かれた文章です。
講習前の最後の授業ではイントロダクションとして、文章を読む前提となる予備知識の説明をしましたが、春期講習では文章中の重要語句や難しい言葉の説明をしながら、文章を読み進めていきました。
受験問題で扱われる文章には、小学生が知らないであろう言葉が少なからず使用されます。大人が当たり前に知っている言葉だからといって、小学生がそれを知っているなどということはありません。
「森林」がテーマの文章であれば、「原生林」・「雑木林」・「人工林」・「里山」などは使用される可能性が高い語句ですが、これらの語句について小学生が日常生活の中で触れる機会はほぼありません。今回扱っている文章には、「はびこる」・「著しい」・「~はおろか(疎か)」・「しばしば」・「恵み」といった語句が使用されていましたが、これらは大人にとっては見慣れた語句であっても、小学生にとっては馴染み深いものとは言えません。
文章を読む際には、こういった語句の意味についてあらかじめ知識を得ておくことが理想です。文章を書いている人(筆者)は、自分が文中で説明に使っている言葉について、読者が知らないなどということは考えていません。
筆者が想定した読者のレベルに遠く及ばない状態で、文章を読むというのは、たとえていえば持ち上げられるはずのないダンベルを用いたウェイトトレーニングを行うようなもので、意味のある学習にはなりません。無茶なウェイトトレーニングと違って、怪我をすることはないので、その危険性を認識しづらいのですが、理解できるはずのない状態で文章を読んでいくと、「読む」ということについての感覚が破壊される可能性があります。
そういうことが起こらないよう、新しい文章を読む際は、それを理解するために必要な知識を十分に与えてから読み進めていくという形を取らせていただいております。一本の文章を読むのに時間がかかりますが、趣旨をご理解いただければと存じます。