ONEでは5年生の段階で「割合」の単元をかなりの時間をかけて扱っています。これは「割合」の単元が入試において重要だからという理由もありますが,それだけではなく,「割合」という一つの項目を時間をかけて理解することで,算数の内容を理解するために自分が何をしなければならないかを具体的に知ってもらうためでもあります。
算数というと計算をして答えを出すものというイメージを持つ人が多いかもしれませんが,分数などの算数で使われる記号を,自分が理解できる日本語に直したうえで,その内容を理解してそれに従って行動をすること(具体的な説明は企業秘密となるため割愛させていただきます)が,算数の学習においては非常に重要なことです。
「記号」の意味を理解していない状態で、形式的に式に数字をあてはめて答えを出す練習を繰り返していると、演習を繰り返した問題の答えは出るようになりますが、少し出題の仕方を変えられただけで、全く対応ができなくなってしまうことが少なくありません。このような状況に陥った時に、大人から「考えなさい」とか「形式的に式に数字を当てはめても意味がない」などと言われても、意味が分からない状態では考える手掛かりが無く,どこをどう改善すべきなのかわからないでしょう。
算数に限ったことではありませんが,学習において「記号」を使って書かれた文章を,理解せずにそのまま扱うのではなく,自分が理解できる形に直した上で考えるという姿勢を5年生の間に身に付けておくことは非常に大切です。このための練習を割合を題材にして行っています。
先週から,割合を考えるための新しい道具を導入しました。新しい概念を学ぶことで今までできていたことができなってしまうことがあります。そうならないように,これまでに学んできた内容について授業の初めに確認しております。