「説明文や論説文は嫌い」という小学生は少なくありません。理由を尋ねてみると「物語・小説は面白いけれど、説明・論説文は言葉が難しく、何を言っているのかわからない」というようなことを言う人が多いように思います。
ONEの小4のお子様は夏休みから説明・論説文を扱っていますが、最初の数回こそ「物語はやらないの?」というようなことを言うお子様もいましたが、現在はそのようなことはありません。
説明・論説文を嫌いになるお子様が少ないのには理由があります。それは文章を読む前提となる知識や教養が不十分な状況で馴染みのない分野に関する文章を読まされるからです。大人だって、専門分野の知識がないと読めない学術書を読めと言われたらお手上げになりますが、それと同じことをさせられているケースが少なくないのです。
「読めない漢字や意味の分からない言葉が文章中にたくさん出てくる」・「文章のテーマについての知識が全くない」といったことが、文章を読む上での障害となります。文章を読む前にこれらについて説明をし、前提知識が備わった状態で文章を読んでいけば、「何を言っているのかわからない」などという状態にはなりません。
お子様達には、文章を読む上での前提知識について説明した上で、時間をかけて文章を読み進めてもらっています。そうすることで「ただ目が文字を追うだけ」ではなく、「文字から頭の中に想起される内容・イメージ」を捉えるということが可能になります。これを繰り返し行っていると「説明文や論説文は嫌い」という状態になることはほぼありません。
一本の文章を読み切るのに、前提知識の説明から行っていくので、かなり時間がかかりますので、大量の文章を読むということは行っていませんが、読解の基本姿勢と一定レベルの文章を読むリテラシーが身に付けば、自分で文章を読み進められるようになります。そうなるまでは大量の文章を読むことは、マイナスにしかなりません。「文字の上を目が滑る」・「文章を読むという行為の意味・あり方がわからなくなる」・「文章を読むこと自体に嫌悪感を持つようになる」など、様々な深刻な弊害が生じます。
もし、他塾に通われている方で、大量の文章を読まされているにも関わらず、全く文章を読めるようになっていないというような状況になっている方がいらっしゃいましたら、文章との向き合い方を根本的に見直された方が良いと思います。