ONEでは、小4時には理科・社会は講習時のみ授業を実施しております。
中学受験において社会という科目で要求される知識量は膨大なものだと思われるかもしれませんが、「どうすれば自分が覚えられるかを知っている」・「自分が覚えたかどうかを的確に判断できる」生徒であれば、知識自体の習得にかかる時間はさほど多くはありません。1年あれば受験に必要な一定レベルの知識を入れることは可能です。しかしながら、覚えることに対してネガティブな思いを持ってしまい、覚えるための努力を前向きにできない、覚えたかどうかのチェックなどしない……というような姿勢が固定してしまうと、時間をいくらかけても知識が定着しないという状況になります。
小4の社会では受験に必要な内容などにとらわれず、純粋に集中して覚えるという練習をします。授業内で覚えるべきことを提示し、数分間かけて一生懸命に覚える。そして「覚えた」という申告があった段階でテスト。しかし、簡単には完璧に覚えられず、悔しい思いをする。そこで再度覚える。こういうことを繰り返す中で、覚えるための行動や覚えたかどうかの判断力を養うことを目標にしています。
春期講習中、1回目の授業では「日本の世界遺産」の写真8枚、2回目の授業では「東京の名所」の写真12枚を見てもらい、それぞれの特徴を理解した上で、その名前を書けるようにするという課題に取り組んでもらいました。覚えたと思った段階でテストを実施しましたが、1回ではなかなか完璧には覚えられません。間違えた場合には、もう一度覚え直してもらい、再度テストを行いました。お子様たちは、2~3回で完璧に覚えることができました。
なお、現時点においては、覚えたことは忘れてしまってかまいません。「覚える」ことを覚える段階においては、「忘れることは悪いことだ」という印象を与えないことが非常に重要になります。「忘れない」ための唯一の方法は「覚えない」ということです。忘れることを嫌がるあまり、覚えることから逃げるようになってしまうというようなことは絶対に避けなければいけません。
「覚える」ことを覚えることは、社会科のみならず、あらゆる科目の学習の下支えになります。次に社会の授業を行うのは夏期講習になりますが、平常授業においても、毎回5~10分程度の時間を使って、記憶の練習に取り組んでもらいます。