中学部の授業についての記事になります。
今回の授業には、体験生がいたこともあり、ONEの国語の授業の基本的な考え方について説明をいたしました。塾生にとってはすでに聞いたことのある話ではありますが、あらためて現在の学習が何を目指しているのかということを認識する機会にしてもらえたと思います。
説明したことは以下の2点です。
(1)何のために漢字の学習をするのか?
(2)読解力をつけるにはどうすればいいのか?
詳細に書くと長くなりますので、今回は(1)についてのみ、簡潔にポイントだけを述べさせていただきます。
(1)何のために漢字を学習するのか?
塾に通っている中学生に、この質問をすると、たいていは「受験で漢字の問題が出るから」と答えます。確かに漢字の書き取りの出題があります。しかし、漢字の書き取りはたかだか10点程度。それで合否が決まるわけではありません。
受験国語の中心を占めているのは、文章読解、しかも現代文の読解です。もし、この読解が9割近く得点できるなら、漢字の書き取りや文法問題の出来が思わしくなくても、合格点をとることは可能です。もちろん、漢字の書き取りや文法が出来なくてもいいと言うつもりは毛頭ありませんが、第一優先で考えるべきことではありません。
受験国語の学習において最も重要なのは、文章読解なのです。漢字学習は、まず第一に、この文章読解のために行われるべきでしょう。文章を読んでいて、読めない漢字や意味のわからない熟語が大量に出てきたら、内容の理解は極めて難しくなります。文章を読んだ際に、読めない漢字や意味のわからない熟語がないという状態が理想です。そうであれば、漢字学習を行う際は、書き取りのために漢字の正確な形を覚えることではなく、漢字を読めること、漢字の意味を理解することを優先すべきなのです。
したがって、ONEでは漢字の書き取りの宿題については、一定の時期が来るまでは課しません。まずは、読めて意味が分かるということを最重要視して、学習を進めています。なお、漢字について読めて意味が分かるようになっていると、書き取りが全くできないなどということはほとんどありません。
書き取りテストのためだけに一夜漬け的に漢字学習をし、書き取りテストが終わったら、きれいさっぱり忘れてしまう……というような学習にならないよう、ていねいに指導していきます。