以下に示す言葉は、現在、4年生の授業で扱っている文章に用いられている言葉の一部です。
素朴
基準
一対
ないしは
いかにも
いちがいに
覆い
日常生活の中でこれらの言葉を用いる小学校4年生というのは、おそらく想像しづらいのではないでしょうか。お子様達がこれらの言葉を身につけるには、文章を通して学ぶか、あるいは大人との会話の中で耳にするか、どちらかしかありません。
子どもは自分の知らない言葉でも繰り返し繰り返し目にしたり耳にしたりしていれば、自然と意味がわかるようになり、やがて使えるようになっていきます。ここで重要なことは「繰り返し」ということです。
「読解問題を解く際に文章を読んでいるから、受験に必要な語彙は身につくはず」と信じて、国語の学習をされている方も少なくないと思いますが、未知の言葉に一度触れたぐらいで簡単にそ意味や用法を覚えられるなどということは、まずありません。九九を覚えたり、社会の知識を覚えたり、という際には、繰り返しの重要性をわかった上で学習を進められる方が多いのですが、語彙の強化ということになると、特に繰り返しを意識して学習される方は少ないように思います。
冒頭に挙げた7つの言葉は、先週から読み始めた文章の中に登場した言葉です。前回説明をしていますので、しっかりと覚えているかどうかを確認するテスト(7つだけではなく、実際にはもう少し問題数が多い)を行いましたが、全問正解というお子様はいらしゃいません。一回読んで、一回説明を聞いただけで、完璧に覚えられるというようなことはありませんから、全問正解でないことは全く問題はありません。テスト終了後にもう一度、説明をした上で、文章を再読しました。次回、これについては再びテストを実施します。繰り返していくうちに「もうわかりきっているから大丈夫」「まだテストやるの? 簡単すぎるんだけど」というような状態が生じますが、そこまでいけばもうこの言葉は自分のものとして定着しています。
次から次へと多くの文章に触れた方がいいのではないかと思われるかもしれませんが、それが有効なのは、すでに十分な語彙を獲得しており、文章を読む姿勢もできあがっている場合のみです。
一本の文章をじっくりと繰り返し読み、その中で語彙を強化し、文章を読む際の頭の動きについても時間をかけて訓練していきます。