現在、授業中に2種のテストを行っています。
一つは授業で学習した内容についてまとめたプリントの内容に関するテストです。特別な記憶力を持っている生徒以外はしっかりと準備をしてこなければ高得点は取れません。以下の文章では、このテストをテストAと呼ぶことにします。
もう一つは夏休みから始めたテストですが、授業内で覚えるための時間を5分程度与え、そこで覚えてもらったものをその場でテストするというものです。このテストをテストBと呼ぶことにします。なお、このテストについては家で覚えてくるものではないので、覚えてもらうプリント、テストともに授業のたびに配付し、テスト後に回収しています。
2種のテストで問われる能力や姿勢は異なります。
一般的には、社会の時間に行われるテストは、テストAのみでしょう。覚えなければならないことを一週間の中でしっかりと覚えてくるということが要求されます。この努力ができない生徒は、社会に限らず、暗記を求められる学習においては成果を上げることができません。
テストBは、短時間に集中して記憶をするトレーニングとして行っています。一回に覚えてもらう量は、覚える時間として与えた5分では無理な量(102個の知識)を与えています。高得点を取るためには、何としても覚えるという決意、覚える際の集中力を高めること、短時間で覚えるための方法を見つけることなどが必要です。最初のうちはテストの結果に「たったこれしか覚えられないのか」というショックを受ける生徒が少なくありませんが、これを繰り返すうちに記憶の精度やスピードは上がっていきます。
テストBで高得点が取れるようになると、テストAのための準備にかかる時間が短くなり、精度も高くなっていきます。
テストBについては、開始から2か月近く経ちましたが、現在最も進んでいるお子様は間もなく60個をクリアするといった辺りまで覚えています。他にもかなり記録を伸ばしているお子様が多くいらっしゃいますが、実はいまだに得点が一桁になってしまうお子様もいらっしゃいます。なぜ一桁になってしまうのかと言うと、ほぼ例外なく「漢字の書き間違い」です。なぜ漢字を間違えるのかと言えば、覚える際、あるいはテストの際に慌てているのか、表記が非常に雑になっているためです。覚える際に間違えて覚えてしまう、テストに際に書き間違えてしまうのです。このテストでは、仮に50問正答していても、たとえば3番目の問題で漢字を間違えたら、「得点は2点」とカウントしています。一つでも書き間違えたら、そこから先は得点になりません。ていねいな表記ということを意識してもらうよう、テストの際に声掛けをしてまいります。
記憶としっかり向き合い、きちんと覚えるにはどうすればいいかということを体得しておくことは、6年生になった際に圧倒的に有利な材料になります。2種のテストを利用して、記憶をするということにアプローチをしていきます。