【算数】
夏期講習の初日の今日は「暗算」に取り組んでもらいました。
「暗算」の練習と言われると、授業として物足らなさを感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、あえて「暗算」に取り組んでいただく理由があります。
暗算は、筆算の場合と異なり記憶を外部(ノート)にしてもらえません。暗算のとき脳は、「一時的な記憶を保ったまま、演算(処理)をする」ことを迫られます。単純な作業ならば良いのですが、作業が複雑化すると一気に難易度が上がります。
理解が難しい内容の多くは、「一時的な記憶を保ったまま、演算(処理)をする」ことを迫られます。ちなみに理解の難しい内容への対処法は、
① 一時的に記憶できる容量を増やす。
② 記憶するべき内容をコンパクトに認識できるようにする。
の2つとなります。
4年生の段階においては②の方法を用いるには早いことから、まずは①の方法を用い能力の向上を目指します。
今回の授業では、各生徒に対し適切な問題をチョイスするために長時間、暗算に取り組んでもらいました。次回以降、①を明確に意識し暗算の問題を毎回10分程度おこなってまいります。
ただの計算も、工夫一つでとても大きな負荷をかけることができます。現時点では、筋トレに似ていると感じて頂けると良いと思います。筋トレをしながら、新しい単元を同時に行ってまいります。
【国語】
夏期講習の国語の授業では、以下のようなことを目標としています。
① 接続語や指示語などについての知識や感覚を身につけること。
② 言語知識を習得すること。
③ 日本語としての組み立てに問題のない短文を書けるようにすること。
④ 文章を能動的に読むこと。
本日は①~③に関わる内容について書かせていただきます。
これは本日使用したプリントの一部を抜粋したものです。接続語の使い方を覚えるために、こういった練習を毎回やってもらっています。『「そのため・だから・したがって」は順接の働きを持つ接続詞で、前に原因、後ろの結果が書かれる』などという学習をしても、それは生きた知識とはなりません。実際にそれらの接続詞が使われた文に、目で、耳で繰り返し触れるうちに、知らず知らず用法を身につけていくべきでしょう。
お子様たちはそれぞれ工夫しながら文を書いてくれました。間違った使い方をしてしまったときは修正し、その後に何度も使用してもらい、正しい用法を自然と身につけられるようにしております。「したがって」の意味がわからず、質問をしたお子様が数名いらしゃいましたが、意味を説明した後には、正しい文が書けていました。繰り返しが重要ですので、日々少しずつ練習をしてもらいます。
これも本日使用したプリントの一部です。⑴については、みな日本語として不自然な箇所のない文を書けていました(例:「山田さんは夏休みの宿題をやっていなかった。」など)。
⑵については「おどおど」という語句の意味がわからないという生徒が多く、意味を説明してから文を書いてもらいました。わからないことばの意味を辞書を引いてノートに書き写すというようなことをするよりも、ことばの意味を知った上でそれを実際に使ってみる方が、語句知識を生きた形で習得するためには有効です。
ここに挙げた練習問題は、最初に掲げた①~③の目標に対応した内容になっています。一朝一夕でできるようになるものではありませんので、日々繰り返し練習に取り組んでもらいます。
④の「読解」については、あらためて記事にさせていただきます。