本日は「読解」の授業について書かせていただきます。
小4の国語の授業における大きなテーマの一つは「文章を能動的に読む」ということです。
ONEの国語の授業では、小4,5の段階ではいわゆる読解問題を解くことはほとんどありません。「次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。」というような読解問題を解き続けることには、大きなリスクがあると考えます。もともと本やマンガを読む習慣のないお子様が低学年のうちから読解演習を繰り返すと、「問いを解くための手段として文章を読む(文章に目を通す)」というような形になりやすく、純粋に文章を楽しむこと、文章にのめりこむことなどができなくなってしまう危険性があります。ひどいケースでは、文章の内容が全くつかめていないのにも関わらず問題を解かされるという状況に陥ります。これは全く役に立たないどころか、文章を読む基本姿勢を破壊する結果につながりかねません。
ONEでは、まず文章を「前向きな気持ちで読む」・「純粋に楽しむ」ということをできるようにすることが読解の第一歩だと考えています。
8/3の授業では、文章を能動的に読んでもらうためにちょっとした小道具を使ってみました。
ジオラマ用の小さな人形を物語の登場人物に見立て、文章の舞台となっている家の間取り図の上を、ストーリーの展開に従って実際に動かしてもらいました。
「〇〇は最初、玄関にいたけれど、その後で△△を奥の座敷に連れていき、そこで……」といった具合に人物を実際に動かすことを意識することで、個々の登場人物の動きをしっかりと追いかけ、ひとつの場面を読み終えるごとに、人形を動かしながらストーリーを話してもらいました。この段階で間違っていたり、情報が足りなかったりした場合は、指摘した上で再読してもらいました。
人形を動かすことでイメージをしやすくなったこともあるようです。小説好きな人の頭の中では、小説の登場人物がリアルなイメージとして動いているはずです。それができれるようになればいいのですが、まだそこに至っていない場合は、こういった道具を利用してみるのも有効です。登場人物に動きがない小説や物語では使いにくいでしょうが、登場人物の移動があり、それを正しくとらえることがストーリーの理解に必要だという場合には、イメージ喚起に役立つツールになりうると思います。
今後の授業において、「能動的に読む」という姿勢作りに重点を置いていきます。