先週の授業から「地球温暖化」に関する文章を扱っています。環境問題について論じた文章は受験では頻出ですが、「地球温暖化」はその中でもよく取り上げられるテーマの一つです。
だからといって、いきなり受験で出題された文章を読んでもらうということはしません。「地球温暖化」というのはふつうの小学生にとって馴染みのあることではありません。したがって、いきなり「地球温暖化」について論じた文章を読まされたなら、何を言っているのかさっぱりわからないという状態になっても不思議ではありません。
「地球温暖化」について論じられた文章を読むのであれば、まずは「地球温暖化」について現代人の常識として知っておきたい内容を、前提として頭に入れておくべきです。そもそも温暖化について論じた文章は、「地球温暖化のことを全く聞いたこともない」というような人を対象には書かれていません。筆者が想定している読者のレベルに到達していない人は、文章の理解ができないのです。
したがって、最初に扱った文章は、知識を習得することを目的に書き下ろしたものです。
文章を読む前に「地球温暖化」について、基本的な内容を説明した後で、知っておくべき知識をまとめた文章を読んでもらっています。あらかじめ説明した内容と文章の内容はほとんど重複していますので、生徒は繰り返し同じ内容に触れることになります。読んだ後で文章の内容をまとめてもらうのですが、生徒はその際に文章を再読します。こうして何度も同じ内容に触れることで、知らず知らず内容を覚えてしまうということを狙っています。
ここまでの2回の授業で、「地球温暖化とはどういう現象か?」・「地球温暖化の原因は?」といったことについて話し、文章を読んでもらいましたが、身につけておきたい知識はまだあります。「地球温暖化が具体的にどのような問題を引き起こすのか?」・「地球温暖化の解決についてどのようなことが論じられているのか?」といったことについても知っておく必要があります。しばらくは知識を入れるための文章を読んでもらい、読解の前提となる基礎知識が当たり前のことになった時点で、受験に出るような文章を扱っていきます。