新小4の国語の授業は本日で4回目となります。
授業の中で行うトレーニング等については、1回目の授業報告の記事をご参照下さい。
ONEでは、小3のコースがございませんので、小4のスタートはごく少人数になります。
この時期には少人数であることを生かし、できるだけお子様に「話をする」・「しゃべる」・「ことばを音にして口から出す」ということをしてもらっています。
これにはさまざまな効果・効用があるのですが、すべて書くと、長くなりますので今回はひとつだけ紹介します。
Q 次の文の( )にあてはまるひらがなを書き、絵を説明する文を書きなさい。
若い男の人( )おばあさん( )席( )ゆずった。
おばあさん( )若い男の人( )席( )ゆずられた。
こういう問題は大人にとっては簡単ですが、お子様にとってはけっして楽な問題ではありません。
若い男の人(が)おばあさん(に)席(を)ゆずった。
おばあさん(が)若い男の人(に)席(を)ゆずられた。
たとえば、お子様が「おばあさん(が)若い男の人(を)席(を)ゆずられた。」と答えたとします。大人はそれが間違いだとわかりますが、ではお子様にそれを納得のできる形で説明できるかと言えば、不可能ではないかもしれませんが、相当に難しい作業です。
なぜこのような問題を大人が間違えないのかといえば、何度も何度も「てにをは」を使ったことばを耳から繰り返し入れ、また「てにをは」を使って話すという経験をたくさんする中で、感覚を身につけたからです。大人が「おばあさん(が)若い男の人(を)席(を)ゆずられた。」という言い方をしないのは、「気持ち悪い」・「不自然だ」と感じるからであって、文法的に理屈を考えて間違いだと判断しているからではありません。
お子様の場合、こういう感覚がまだ十分に育っていないことが少なからずあります。日常的に本を読む習慣があるお子様ならともかく、書き言葉に不慣れなお子様にとっては、感覚的に判断することは簡単ではありません。その場合、必要なことは、お子様に文法的な説明をすることではなく、正しい言い方を実際に音声として耳から入れ、実際に自分で音声として発することをお子様に繰り返してもらうことです。そうやって正しい日本語の音に耳を慣らし、感覚的に「てにをは」が使い分けられるようにしていくことはとても重要なことだと考えています。
前記事で取りあげた「国語エクササイズ」などはただ解いて丸付けをし、間違ったものを直すというだけではなく、間違えた場合は正しい答えを実際に発音してもらい、正しい言い方に慣れるということをしてもらいます。
文章を読む際も、4年生の時期にはときどき音読してもらうことがあります。その際に「てにをは」の部分を読み間違えたりすることがありますが、その場合は必ず立ち止まり、正しく直した上で再度読んでもらうということを行っています。