授業の前半の時間には、「短期記憶」のトレーニングを続けています。「短期記憶」のトレーニングの目的についてはこちらをご参照ください。覚えられたかどうかの判断を的確に自分で行えるようになるまで、継続して行なっていきます。計算についても、小数の足し算・掛け算と整数の割り算の練習を繰り返し行なっていきます。
授業の後半では、「ものの個数」と「ものとものとの間の個数(以下、間の個数)」の関係について授業を行いました。「植木算」と呼ばれるテーマです。
先週まで扱ってきた、番号のついた「ものの個数」の授業(記事はこちら)では、図を書いて問題文の情報を整理することと、自分が扱っている数が何を表しているのかを意識することを学んでもらいました。扱う題材は違いますが、今回も学んでもらうことは同じです。
男の子が4人の場合や、5人の場合などで図を書いてみると、女の子が男の子よりも1人少ないことがわかります。この問題では、自分から図を書いて考えてくれる生徒がほとんどで安心しました。また、図を書かなかった生徒も、図を書くように指示をしたらすぐに書くことができたので、頭の中で図が書けていたようです。この問題では、男の子の人数と女の子の人数が異なることについて、全員が気づいてくれました。
これは夏期講習のときにも扱った問題です(記事はこちら)。夏期講習でこの内容を扱ったときには、「木の本数が2本、3本、4本……のような少ない個数の場合にどうなるかを試してみて、そこで規則を発見し、その規則を使って本数が多い場合を考える」ということを目的に授業を行いました。
(例題2)と(例題3)で考えているのは長さなので、注目すべきは「7mの個数」です。直感的に「7mの個数」を木の本数と同じと考えてしまうことがありますが、(例題2)で図を書いてみれば、「7mの個数」と木の本数とは異なることがわかります。自分が欲しい情報と問題文で与えられている情報が一致しているとは限りません。自分が扱っている数が何を表しているのかを、常に意識する必要があります。
一度取り扱った内容であることもあり、(例題2)と(例題3)ともに全員が図を書いて正解にたどり着けていました。
「7mの個数」と木の本数とは異なることを確認してもらった後で、7mは木と木の「間」の距離なので、(例題3)の「7mの個数」と(例題1)の「女の子の人数」を同じように考えることができることを、図を使って説明しました。(例題1)で一列に並んだ50人の男の子の間の個数は49個、(例題3)で一列に並んだ50本の木の間の個数も49個、この2つについて「ものの個数」とものとものの「間の個数」という同じとらえ方をするのが今回のテーマです。
「間の個数」と表現していますが、ものとものとの「間」には何もありません。そのため「間の個数」に注目するように言われた際にとまどった生徒もいましたが、(例題1)や(例題2)のような具体例に戻って「間の個数」について考えることで、理解をすることができていました。
「ものの個数」と「間の個数」の関係性について理解をした後で、この考え方を利用して考える演習問題に取り組んでもらいました。
「ものの個数」と「間の個数」の関係の利用は、これから先で習う等差数列をはじめとする規則性の問題を考える上で、非常に重要になりますので、練習を通じて習熟し、当たり前のこととして理解し、利用できるようになっておくことが必要です。
今回は、「ものの個数」から「間の個数」を考えてもらいました。次回は「間の個数」から「ものの個数」を考えてもらうことで、「ものの個数」と「間の個数」の関係性についての理解を深めてもらう予定です。