前記事はこちら → 「漢字で困らないようにするために」
漢字の書き取りで間違えるという場合、理由は単一ではありません。
最初に思い浮かぶのは、「漢字の形を覚えていないから」ということでしょう。
たとえば「オガむ」を漢字に直そうとしたときに「横棒の数が3本だったか4本だったか?」と迷ってしまうというようなケースです。漢字の「何となく」の形は思い浮かぶが、細部を思い出せないという状況です。しかし、実はこういうケースはさほど多いわけではありません。そもそも「何を書けばいいのか、思い浮かびもしない」というケースの方が多いと思います。
漢字を覚えるという際に、覚えなければいけないことは3つあります。
① 漢字の読み方(音・おと)
② 漢字の意味
③ 漢字の形
漢字の書き取りができないという場合、③「漢字の形」を覚えていないからできないと思いがちなのですが、実は②が習得できていないから書けないということの方が多いと思います。
前回の記事の中で取りあげた「出自」という漢字、この熟語を構成するそれぞれの漢字の形が書けないという受験生はまずいません。しかし、「出自」ということばに出会ったことがなく、意味を知らないので、「シュツジ」を書けと言われても「はて、どんな字を書くのだろう?」となってしまうのです。
「いくら書き取り練習をしても、いっこうに漢字が書けるようにならない」という場合には、漢字学習のあり方を考え直した方がよいケースが多いのではないかと思います。
③の「漢字の形」ではなく、①・②の「漢字の読み方」・「漢字の意味」の習得に重きを置いた学習を考えるべきだと思います。
ただ、「漢字の読み方」・「漢字の意味」の習得に重きを置いた学習といっても、具体的にどのようなことをすればいいのかということについては、いろいろなアプローチの方法があります。その詳細をここで述べることはできません。過去のブログ記事にヒントはありますが、それだけが正解ではないと思いますし、現在これまでとは違う漢字の学習の導入についても検討しているところですので、いずれ記事にすることもあるかと思います。