2024年10月7日
小5国語 冬期講習
冬期講習では引き続き、文化をテーマとした文章を読んでもらいました。
12月の平常授業では、日本の文化とヨーロッパの文化を比較した文章を読み、日本とヨーロッパの風土の違いや民族の違いといったことから派生する文化的な差異について学びました。
冬期講習では「行動規範としての文化」について論じた文章を扱いました。
「われわれが無意識に行っている行動、当たり前だと思っている行動は、人間としての自然な行動ではなく、文化に基づいた行動である」というようなテーマの文章を2つほど読んでもらいました。
たとえば、箱根駅伝などで走り終えた後にヨレヨレになって倒れる日本人選手、対照的に走り終えても涼しい顔のアフリカからの留学生選手。どうしてこういう違いが生まれるのか。日本人選手がヨレヨレになることの根底には、死ぬほど頑張ること、強い精神力で戦いぬくことを美しいとする日本の精神文化の影響なのではないか……。文化には「行動規範」という側面があり、人が無意識に行っている行動も、行動規範としての文化の影響を大きく受けている。
こういった考え方に基づいて書かれた文章を2つほど読んでもらいました。2つの文章は取り扱っている具体的な話題が異なるだけでなく、文体も異なり、一方がエッセイ的な軽いタッチ、もう一方が論文長のやや硬い文体となっていて、だいぶ雰囲気が異なっていました。しかし、1本目の文章を繰り返し丁寧に読み、内容理解が一定のレベルに達した後で2本目の文章を読んでもらったところ、多くの生徒が両者に通底している部分に気づくことができていました。
小学生にとってはやや難しいテーマの文章を扱っていますが、丁寧に繰り返し読むことにより、理解を深めていくということを継続していきます。