2024年10月8日
夏期講習の授業では、「倍数」を中心に取り扱いました。
倍数は「数の性質」と呼ばれる単元の中の一項目ですが、この「数の性質」という単元は「割合」や「速さ」などの単元と異なり、現実の具体的な事象とリンクして話が進まないため、イメージがわきにくく、理解に時間がかかってしまうこともあります。
「倍数」を知識として、こういうものだと時間をかけずに単純に教えてしまうのも1つの方法ですが、こうすると、難易度の低い問題では答えが出ても、難易度が高くなると途端に答えが出せなくなってしまうということが往々にして起こります。「数の性質」に限ったことではないのですが、これは自分が計算によって導出した値が何なのかを正しく認識できていないことが原因です。特に「数の性質」のような抽象度が高い単元においてはその傾向が顕著に出ます。
時間がかかるものには、必要なだけの時間をかけることが重要です。理解に時間がかかることを前提にして、「倍数」については、自分が計算によって導出した値が何を表しているのかを文章で表現してもらい、じっくり考えてもらうことで、自分が何をしているのかをできるだけ具体的に意識してもらうようにしました。
入試までの時間に余裕のある5年生の段階ではこのように「思考させること」に重点を置いて授業を進めております。