夏期講習の初回では、「10番から20番までの●の個数は何個」といった、ものの個数の数え方を扱いました。前期の平常授業においても何回か扱っている内容ですが、今後の学習の基礎となる内容なので、繰り返し復習を行っていきます。
理屈は理解していないが形式的に式に数字をあてはめて機械的に答えを出すということもできます。しかし、そうやって答えが出たと言って安心していると、少し問われ方が変わっただけで、何をしていいのかわからなくなってしまいます。
形式的に式に数をあてはめるだけにならないよう、問題文から読み取った情報を整理して書いた上で、番号の情報と個数の情報がどのような関係になっているのか、自分が書いたものを観察し、個数の情報を取り出す練習を繰り返してもらいました。
ものの個数の数え方について、最終的には全員が理解できたと思います。ものの個数を数えることは、多くの単元の基礎になりますので、九九のように当たり前のこととして扱えるレベルになるまで、繰り返し復習する予定です。
次に扱ったのは植木算です。例えば「5本の木を、2mの間かくで、一直線に植えました。端から端まで何mですか。」という問題です。
この問題については2×5=10mという誤答を見かけます。これは一見すると問題文にある2つの数字を掛けただけで何も考えてないようにも思えます。しかし、本当に何も考えていないと決めつけてよいのでしょうか。自分なりに考えているにも関わらず、何も考えていないと頭から否定されてしまうと、生徒は次からどのような行動をとっていいのかわからなくなってしまいます。
誤答からは、全体の長さを求めるために、2mの間かくの個数がいくつあるかを考えようとしていることを読み取ることができます。これは合理的な発想といえましょう。ただ、誤答では、5本という木の本数を間かくの個数としてあつかってしまっており、問題文にある5という数についての読み取りが不十分であることがわかります。上記の誤答をした生徒に対しては、読み取りが不十分であったことを明示する必要があります。
自分にとって必要な情報を問題文から的確に読み取ることは、簡単にできるようになることではありません。時間をかけて徹底してやる必要があります。小学4年生の段階で、まず問題文を読むことも算数の勉強だと感じてもらいたいと思い、いろいろな題材を使って情報を整理する練習をしてもらっています。