現在、小4生については月曜日に算数、金曜日に国語の授業を行っています(時間帯は17:00~19:00)。
どちらの曜日も2時間のうちの前半の1時間は科目の枠にとらわれず、基礎計算の練習やパズル、国語の言語知識や感覚を身に着けるためのエクササイズなどに充てています。これらは今後、受験に向けての学習をしていく際の土台となる力を作るために行っています。土台がしっかりできていないところに家を建てようとしてもうまくいかないと考えます。
パズルなどは徐々にレベルを上げていきますので、苦戦することもあります。このパズル自体を解けるようになることも大切ですが、投げ出さず最後まで取り組む姿勢を作るということに価値があります。トレーニングの目的は頭を鍛えることだけではありません。
できないことを投げ出したくなるというのは、人間の自然な感情でしょう。だから「もうやりたくない」と思うことを責めることはできません。しかし、「やりたくなくてもやらなければならないことはやらなければいけない」という感覚は身につけなければいけません。解き終えなければ先に進めない、投げ出すことは許されないという状況を作り、問題に向き合う姿勢を養っていきます。
今回はこの時間に扱っている「国語エクササイズ」の内容を少しだけ紹介します。
(1)「てにをは」の使い分け、接続語、指示語、主語と述語の対応……といった日本語の土台になることについての感覚を身につけてもらうこと。
(2)小学生のうちに身につけておいてもらいたい常識的な知識などを覚えること。
(1)について。すべてについて書くと長くなりますので、「接続語」についてだけ簡単に述べておきます。一般に「順接」・「逆接」・「並列・添加」……などといった具合に分類を学び、空欄を埋める練習問題を行うという方法で学習されることが多いようですが、実際に我々が接続語を用いる際に、「原因を述べた後に結果を述べるから、ここは順接の接続詞を使おう」などと思考することはありません。感覚的に使用しています。この感覚をつけるためには、実際に何度も使用してみる経験が必要です。ある回のプリントの一部を引用します。
空らんにあてはまる文を自由に考えて書きなさい。
(1) その店のカレーライスはとてもおいしかった。
だから
(2) 三日前から降り続いた雪がもう八十センチも積もっている。
そのため
(3) ぼくは誕生日に祖父からかっこいい自転車をプレゼントしてもらった。
そこで
国語エクササイズでは、こういった練習を何度も繰り返し行い、接続語を感覚的に使用できるようにすることを目指しています。最初はうまくできない生徒もいるのですが、慣れてくれば当たり前のように接続語を使った文を書けるようになっていきます。
(2)について。「床の間」を知っている小学生がどれだけいるでしょうか。小学生はくだものの旬の季節を知っているでしょうか。「おい」・「めい」・「おじ」・「おば」ということばの意味を知っているでしょうか。一昔前は常識だったようなことが、社会の変化のせいで、もはや自然に生活しているだけでは身につかなくなっています。しかしながら、文章を読むためには、こういった知識がないと困るような場面がしばしばあるのです。国語エクササイズでは、こういった自然には身につかないであろう「常識」を学習してもらっています。
同じことを繰り返し学習していきますので、特に家庭で復習を行う必要はありません。自然に身につく、自然に覚えるということが重要です。毎回、5~10分ほどで実施していますが、感覚を身につけること、知識を増やすことにつなげていきたいと考えております。