今回は「漢字」の学習に絞って書かせていただきます。
漢字の学習の定番と言えば「書き取り」練習でしょうか。新しく学習する漢字をノートに10回ずつ書かされるというような経験は、多くの方がされていると思います。学校でこういった宿題を出されることは減っているようですが、ドリルのようなものを使って、やはり何回も書かされることはあるようです。
ONEにおいては、4,5年生の間は、漢字の書き取りは原則として行いません。
漢字の学習において必要なことは以下の3つです。
(1) 漢字の読み方を覚えること。
(2) 漢字の意味を覚えること。
(3) 漢字の形を覚えること。
もちろんどれも重要なのですが、(1)や(2)の方が(3)よりも重要です。
中学受験の問題で取り上げられる文章を大人が読んだ場合、読めない漢字や意味の分からない熟語などは、ほとんど出てこないでしょう。文章の内容理解に支障をきたすようなことはほとんどないはずです。しかしながら、中学受験の書き取り問題がすらすらできるかと言うと、度忘れしていて書けないなどということは珍しくないかもしれません。最近は文章を書くときにもパソコンやスマホなどを使用して書くことが多く(このブログももちろんそうです)、実際に文字を手で書くという機会がめっきり減っていますので、いざ「漢字を書け」と言われると、正確な形を思い出せないなどということは珍しくないでしょう。
漢字は書けなくても、読めて、意味がわかるのであれば、文章の読解の際に困ることはなく、大きな問題にはならないのです。しかも、読めて意味がわかるという状態で、繰り返しその漢字に文章の中で触れていれば、形もある程度自然に覚えていきます。
書き取り練習というのは時間がかかりますし、単なる苦痛を伴う作業になってしまいがちです。
お子様は意味もわからず漢字を何回も書く。書いたばかりの漢字について「どういう意味?」と尋ねられると、「わからない」などということもあります。これでは何のために漢字を学習しているのか……ということになってしまいます。漢字のドリルなども形式的な作業で進められてしまうものが多く、注意が必要でしょう。
ONEの4年の授業では、一週間に3つの漢字を取り上げ、読み方と意味を用例を通して確認しています。1回の授業で扱う漢字が多くなく、また時間をかけて説明をしますので、授業の時間内で覚えられることが多いと思いますが、復習用として、読み方を答える問題、意味を答える問題、漢字を用いた短文を作る問題を載せたプリントを家庭学習用として配付しています。書き取りの宿題と違い、長い時間を要するものではありません。
もちろん入試では漢字の書き取りの問題は出ますので、対策は必要です。ただし、4年生のうちからやる必要はないと考えています。まずは漢字の読み方・意味を少しずつ身につけてもらうことを念頭に指導しております。
関連記事→中学受験における漢字学習について