先週から「比較文化」をテーマとする文章を扱っています。
中学受験において取り上げられる「比較文化」論は、ほとんど日本とヨーロッパの比較になります。前週の授業においては、日本とヨーロッパを比較した文章を読む前提として、「ヨーロッパ」について、常識的な知識の説明をしました。
今週の授業では、前回学習した内容を再確認し、そこで得た知識を前提にして、日本とヨーロッパを比較した文章を読んでもらいました。
ヨーロッパと日本の「子どものしつけ」の違いについて論じた文章を取り上げたのですが、ヨーロッパでの子どものしつけ(日本に比べ格段に厳しい)を説明した具体例を読んで、びっくりし、「信じられない」・「かわいそう」といった感想を述べている生徒が少なからずいました。
ただ設問を解くために文章を読むということをしていては、こういう反応はなかなか出てこないでしょう。純粋に文章を楽しんで、あるいは心を動かして読めているからこその反応であって、その意味ではたいへんよいことだと思います。
もっとも、視点を変えて「ヨーロッパの人の視点から日本人のしつけを見たらどう見えるか」ということに思いを馳せるというところまでは至ってはいません。今回取り上げた文章は、ヨーロッパのしつけを「厳しすぎる」と批判した文章ではなく、むしろヨーロッパと比較して日本のしつけの甘さをやんわりと批判するような文章なので、まだ的確に読み取れたというわけではありません。
ここで文章の内容を「これこれこういう内容だ」と解説してしまえば、「なるほど」と納得はするでしょうし、わかった上でもう一度文章を再読し、確認をするということにも意味はあるのですが、今回はその方法は採用しません。自力で自分の読み取りの至らなさに気づき、修正できるよう、次回あらためて文章を読んでもらいます。