数学に苦手意識を持つ人は、数学の学習において、やらなければいけないことが非常に多く感じられ、受験に間に合うのかという不安を感じていることと思います。しかし、高校受験の数学において習得すべき事項は思っているよりも多くないと我々は捉えています。一部の難関校を除けば、合格点をとるために膨大な時間をかける必要はないと考えます。ではどのように苦手を解決していくかについてONEのスタンスを説明させて頂きます。
数学の学習で陥りやすい罠は、「問題が解ける=できていて大丈夫」となることです。
これがなぜまずいのかと言えば、学習の基礎となる基本事項については「問題を解ける=理解できた」にはならないからです。基本事項は解くことそのものは困難ではありません。それゆえ、「問題を解けたから大丈夫」と考えてしまいがちです。しかし、基本事項はその後に扱う関連する問題について話を聞くためのリテラシーとなります。つまり、「基本事項を理解する=授業を聞ける」となるのです。
基本を十分理解をしないまま先に進んでしまうと、授業で言っていることが分からなくなり行き詰まってしまいます。そして、あるレベル以上になると全く手が出なくなるのです。これは数学に限らず学習全般で悩んでいる生徒の多くに見られる状況です。このような状況に陥ってしまったときは、当然、基本事項から徹底してやり直すことになります。しかし、これは思ったより困難を極めます。なぜならば、自分で基本事項を学習しようにも、どのように基本を認識すれば良いか分からないからです。
基本事項をどのように見せるか(認識させるか)は教師によって様々です。生徒の能力・性格によっても認識の仕方は様々です。つまり生徒にカスタマイズして認識させる必要があるのです。基本事項の導入には時間と手間がかかります。しかし、時間と手間をしっかりとかけリテラシー(授業の聞き方)を身に付けてもらえれば、その先の授業は生徒ごとにカスタマイズする必要がなくなります。これは逆に言えば、生徒がリテラシーを身に付ければどのような授業でも聞くことが可能になるということを意味します。
ONEは上記の内容に重点をおいた授業を行うことをスタンスとしています。具体的には、まず我々は生徒ごとに「基本となる事項について抜け落ちている認識」を把握することに時間をかけます。つぎに、抜け落ちている認識を徹底的に理解してもらい、その後に理解した内容を定着させるために演習を繰り返してもらいます。残された時間との相談になりますが、出来れば九九と同じような当たり前のことになるまで徹底します。この繰り返しによって少なくとも苦手にはならなくなります。基本の理解と演習を徹底的に繰り返すのには時間がかかりますが、冒頭で述べたように、高校受験の数学において習得すべき基本事項はさほど多くないため、膨大な時間を要するということはありません。この「基本の理解と演習による定着」をおろそかにすると、目的に早く近づけど、到達することができなくなる可能性が高くなります。まずは焦らずに基礎作りを徹底する事をONEとしては提案させて頂きます。
また、基本事項の習得が一通り終わったあとは、入試問題の過去問を使って演習をしてもらい、基本事項を実際の問題でどう活用するかを学んでもらいます。ここで扱う過去問については、残された時間や各人の志望校によって変わってきます。基本事項の習得が終わった後にどのくらいの時間が残されているか、やるべきことにどれだけ本気で取り組めるかで、合格できる学校のレベルが変わってきます。授業を効率良く聞ける姿勢を早めに身に着けて、受験に向かえるようお手伝い出来たらと思います。