現在、5年生の社会の時間には、2種類のテストを行っています。
一つは従来からやっているテストで、授業で学習した内容についてまとめたプリントの内容に関するテストです。特別な記憶力を持っている生徒以外はしっかりと準備をしてこなければ高得点は取れません。以下の文章では、このテストをテストAと呼ぶことにします。
もう一つは先週から始めたテストですが、授業内で覚えるための時間を3~5分程度与え、そこで覚えてもらったものをその場でテストするというものです。以下の文章では、このテストをテストBと呼ぶことにします。なお、このテストについては家で覚えてくるものではないので、覚えてもらうプリント、テストともに毎回、回収しています。
2種のテストで問われる能力や姿勢は異なります。
一般的には、社会の時間に行われるテストは、テストAのみでしょう。覚えなければならないことを一週間の中でしっかりと覚えてくるということが要求されます。この努力ができない生徒は、社会に限らず、暗記を求められる学習においては成果を上げることができません。
テストBは、テストが目的ではなく、短時間に集中して記憶をするトレーニングとして行っています。一回に覚えてもらう量は、与える時間として与えた3~5分では無理な量を与えています。高得点を取るためには、何としても覚えるという決意、覚える際の集中力を高めること、短時間で覚えるための方法を見つけることなどが必要です。最初のうちはテストの結果に「たったこれしか覚えられないのか」というショックを受ける生徒が少なくありませんが、これを繰り返すうちに記憶の精度やスピードは上がっていきます。
テストBで高得点が取れるようになると、テストAのための準備にかかる時間が短くなり、精度も高くなっていきます。
できるかぎり短い時間で集中して覚える。忘れてしまったら、やはり短時間で集中して復習をする。こういうことができるようになっておくことは、6年生になったときに大きな武器になります。
現在、「歴史」の学習を行っていますが、「地理」の内容についてはそろそろ忘れてしまっているかもしれません。これは悪いことではありません。記憶というのは、そういうものです。だから6年生になったときに、再度「地理」の学習をします。「記憶に取り組む姿勢」や「記憶のための頭の動き」が5年生のときよりも良くなっていれば、再学習の際は短い時間で、より精度高く記憶をしていくことが可能になっていきます。
受験生となる来年に向け、記憶と向き合う姿勢を確立し、記憶をする能力を高めていきます。