先日、内申の思わしくない高校受験生の受験校の決定について記事を書きました。→ こちら
記事の中で、内申が思わしくない場合、埼玉の学校を利用するという作戦を紹介しましたが、もう少し詳しく知りたいというお声をいただきましたので、補足説明をさせていただきます。
埼玉の私立高校と東京の私立高校では、受験の仕組みに大きな違いがあります。東京都の場合、推薦や併願を希望する生徒がいる場合、それを高校にお願いに行くのは中学校の先生の役割です。中学校の先生と高校の先生の間で交渉が行われ、推薦や併願を受けてもらえるかどうかが決定します。このときには内申が推薦・併願を受けられるかどうかを決める基準となります。
埼玉県の場合、併願や推薦については、高校が実施する事前相談会というものに受験生と保護者が足を運び、そこで通知表および模試(埼玉県では北辰テストというものが一般的ですが、都内の生徒が受験する場合はVもぎ・Wもぎになります)の成績をもとに相談が行われ、合否の見込みが伝えられます。ここで「合格の可能性が高い」とか「二重丸です」などと言われれば、よほどのことがない限り合格となります。
ポイントは内申が推薦や併願の基準に達していなくても、模試の成績次第で、合格に太鼓判を押してもらえることがあるということです。
実例を挙げて説明していきます。
以下がONEが過去に合格者を出した埼玉の学校です。
城西大川越
西武台
西武文理(普通)
西武文理(理数)
西武文理(エリート選抜)
早稲田大学高等学院本庄
このうち、早大本庄については一般入試での合格ですが、他の学校については個別相談会に行き、「合格の見込みが高い」との話をいただいた上で受験しています。個別相談会において決め手となったのは、模試の成績です。
たとえば、西武文理(理数)は内申の基準は5教科で23と言われていますが、当塾から受験した生徒の5教科内申は20以下です。ただ、模試の3科目偏差値は70を超えていたので、内申の基準については大目に見てもらえたのでしょう。
他の学校を受けた生徒もほぼ同じような状況で、内申の基準には届いていませんでしたが、模試の結果により、個別相談において「合格の可能性が高い」とのお墨付きをいただくことができていました。
埼玉の学校にはあまり興味がないという方もいらっしゃると思いますが、受験校の選択肢に埼玉の学校を加えるということは、戦略上、大きな意味を持ちます、
埼玉入試で合格のお墨付きをもらえれば、都内の私立については強気の受験ができるのです。
もちろん都内私立の結果が思わしくないときは埼玉の学校に通わねばならなくなります。しかしながら、模試の結果で併願をもらった埼玉の学校は、その生徒が内申点によって併願をもらえる都内の私立高校よりはかなりレベルの高い学校です。併願が取れる都内私立に通うのであれば、少々遠くても埼玉のよりレベルの高い学校の方が……と考える方も少なくないのではないでしょうか。
ONEの卒業生で埼玉の学校に通うことになった生徒は1名(西武文理・エリート選抜)で、他の生徒は都内や神奈川県の私立に合格し、進学しています。
こういう戦略については、学校の進路指導において話をされたということを聞いたことがありません。武蔵野市・三鷹市の中学校の先生は都内の私立高校とはつながりがあっても、埼玉の学校とは疎遠なので、中学校の先生の側から提案されることは皆無ではないかと思います。
学力の割に内申が良くないという方は、検討してみる価値のある戦略だと思います。
ONEでは学習相談等、随時受け付けております。受験校選択で悩まれている方は、お気軽にお問い合わせいただければと存じます。