「中学受験において全滅する理由」について、三つに分けて説明させていただきました。
① 全滅覚悟のチャレンジの失敗
② 志望校選択に起因する全滅
③ 精神的な要因による全滅
大手塾に通われている方で全滅したという方のお話を伺うと、①は意外に少なく、②が多いという印象があります。「模試の偏差値だけで受験校を決めてしまった。偏差値的に余裕があるので、押さえ校については、過去問もやっていなかったが、問題の相性が合わなかった」などといった理由で、安全だと思った学校の入試で失敗し、全滅してしまうという形です。②については、受験校決定の段階で注意すべきポイントをしっかりと押さえておけば、防止できる可能性が高いと思います。
ONEの卒業生203名のうち、全滅した人は過去に5名(2.46%)です。今年度の結果を含む過去5年では卒業生60名のうち1名(1.67%)です。
全滅した理由は①による方が3名、③による方が2名います。
①については、われわれは無理に安全校を受けて下さいというお願いをすることはしておりません。リスクについてはお話しいたしますが、リスクを十分にわかった上でのチャレンジであるならばお止めすることはありません。
③が原因で全滅した方が出た2009年・2010年以後、ONEでは精神的な崩れが起きないようにどうするかということを考え、また崩れが起きることも想定した受験校選びのアドバイスなどをして参りました。
③が原因で全滅になってしまった2名の方は、一度ONEを離れたものの、中2の段階でONEに戻って勉強を始め、高校受験を迎えました。メンタルの問題で実力が発揮できなくなる可能性もあるため、受験当日は複数のONEのスタッフが最寄り駅から受験校まで同行し、リラックスできるようにして受験をしてもらいました。3年間で精神的に成長していたこともあり、2人とも第一志望校に合格できたときには、たいへんほっとした記憶があります。
その後、③による全滅は出ていませんが、精神的な不安から普段通りの実力が出せなくなるという問題を完全にクリアできたわけではありません。今後もこの課題については、さまざまな角度からのアプローチを考えていきます。